2020 Fiscal Year Research-status Report
小児網膜疾患における網膜形態異常に対する多角的解析
Project/Area Number |
18K16922
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
野々部 典枝 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (40732649)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 未熟児網膜症 / OCT angiography |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は昨年までに撮影した8名の活動期未熟児網膜症患者、3名の家族性滲出性硝子体網膜症患者の経時的変化をSwept-source OCTにて撮影予定であったが、パンデミックの状況で予定通りに受診ができず、フォロー画像が3名にとどまっている。撮影が可能であった児については高解像度の断層(Bスキャン)画像、層別の平面(en face)画像、血管画像(OCT Angiography)の取得が可能であった。未熟児網膜症では、機器の移動に伴う専門業者によるメンテナンスが病院内への訪問制限などで不可能であったため、NICUへの機材の移動ができず、活動期の新たな画像取得ができていない。 今年度は新たに色素失調症の児について活動期の手術前後での血管画像の取得が可能であった。とくに、硝子体腔内へ滲出している新生血管のみをとりだして画像化する技術は昨年に引き続いて、安定して検眼鏡だけでは検出困難な増殖病変の検出可能であった。また、網膜周辺部の血管形態を分析することで活動性の評価に一定の再現性があることが判明した。 今後本検査が臨床に広く普及するためにはさらなる撮影の簡便化が必要であると思われる。今後は網膜血管の経時的変化をSS-OCT、OCTAにより同一児で複数回行いたいと考えている。また、未熟児網膜症と家族性滲出性硝子体網膜症の症例数を増やし、別の網膜血管疾患であるコーツ病や色素失調症などでも撮影し、黄斑構造の解析と共に、血管長や血管密度の測定を行う予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
パンデミックにより患者の受診予定がずれ、検査に必要な人員も不足して画像の取得が遅れているため。
|
Strategy for Future Research Activity |
再撮影のフォロー画像を計画的に撮影し、掲示変化について解析する。その他に広く小児の網膜血管増殖性疾患について、色素失調症やコーツ病など稀少な疾患の画像情報の蓄積を図る予定である。
|
Causes of Carryover |
パンデミックのため研究対象者の予定通りの受診が不能で、画像取得が進まなかったために論文執筆が遅れており、これに対する英文校閲や投稿に伴う費用が発生するため。2021年6月に福岡県北九州市で開催の小児眼科学会での成果発表を行うため5万円、2021年11月に成果をまとめた論文の英文校閲のため5万円、2021年12月に論文投稿料として20万円の使用を計画している。
|
Research Products
(1 results)