2018 Fiscal Year Research-status Report
中心性漿液性脈絡網膜症における漿液性網膜剥離の病態解明
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18K16927
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
三木 明子 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (10726988)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 眼細胞生物学 |
Outline of Annual Research Achievements |
網膜色素上皮細胞はタイトジャンクションを有するが、様々な原因により障害されることで、漿液性網膜剥離が生じる。しかし、そのメカニズムは現時点では不明なままである。 今回我々は、細胞間接着に関与しているシグナルとしてHippo経路に着目した。Hippo経路はYAP (Yes-associated protein)/TAZ (transcriptional coactivator with PDZ-binding motif)を制御するシグナルで、YAP/TAZは細胞外からうける機械的ストレスを生化学的な応答へと変換するメカノトランスダクションの制御分子であり、細胞間接着因子を介して細胞増殖に重要な役割を果たすことが知られている。 我々はまず、マウス網膜の凍結網膜切片を作成し、YAP/TAZの制御因子であるLAT-1の発現を免疫染色にて局在について確認した。LAT-1は網膜色素上皮細胞に発現しており、培養ARPE-19細胞についても同様にLAT-1が網膜色素上皮細胞に発現していることを確認した。次に、ARPE-19細胞をストレッチャーを用いて機械的ストレスを付加し、YAP/TAZの局在変化について免疫染色およびRT-PCRにて検討することを試みた。ストレッチャーを用いた機械的ストレスの調整幅が大きいため、最適なストレスを与える環境の設定がまだできていないため、現時点では明らかな変化は認めていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
ストレッチャーを用いたストレス負荷のバリエーションが多いため、最適なストレス負荷を与えうる環境の模索に時間がかかっているため。
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Strategy for Future Research Activity |
最適な機械的ストレス負荷条件の確立ができるように、過去の文献を参考に進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
研究は概ね順調に進んでいるが、ストレス負荷条件の確立において、少し計画との時間的相違を生じたため、次年度使用額が生じた。 翌年度、引き続き試薬の購入や機械的ストレス負荷下での評価等の研究を継続する予定である。
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