2020 Fiscal Year Research-status Report
TRPチャネルに着目したPG製剤角膜上皮障害の治療戦略
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18K16932
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
高田 幸尚 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (70647495)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 角膜上皮障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
TRPV1欠失マウスの繁殖が進まず、2020年度の全ての実験系で用いるマウスでは野生型マウスを中心に据えて研究を行っていった。また、研究に用いるPG-F2α製剤の主薬について、2019年度まではラタノプロスト、タフルプロスト、ビマトプロスト、トラボプロストでそれぞれ検討を行っていたが、2020年度からはトラボプロストに固定して研究を進めた。
野生型マウスにPG-F2α製剤主薬のトラボプロストあるいはコントロールとしてPBSを1日1回、28日間点眼の後に、コシュボネ知覚計で、角膜知覚の有無を検討した。その結果、トラボプロスト点眼で角膜知覚の有意な低下がみられた。
野生型マウスにPG-F2α製剤主薬のトラボプロストを1日1回、28日間点眼したグループとコントロールとしてPBSを1日1回、28日間点眼したグループの2群を設定し、点眼終了後にと殺・眼球摘出、固定して、走査電子顕微鏡で角膜上皮から内皮にかけた構造、および角膜知覚神経の走行を観察、比較を試みた。しかし、トラボプロストを点眼したマウスもコントロールとしてPBSを点眼したマウスもともに角膜知覚神経の走行は不明瞭で、評価が困難であった。走査電子顕微鏡の結果からは、角膜上皮細胞の重層化がトラボプロストしたマウスで顕著にみられ、PG-F2製剤による薬剤性角膜上皮障害による所見の可能性が考えられたが、上皮細胞の重層化の原因特定には至らなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
PG-F2製剤主薬の影響で角膜知覚神経の走行の変化を検討するために、走査電子顕微鏡で撮影を行ったが、神経走行が不明瞭で比較をできなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
野生型マウスの角膜知覚神経の走行が走査電子顕微鏡で確認が困難であったため、TRPV1欠失マウスで同実験系を行うことを断念した。今後はあらためて、免疫染色TuJ1の発現を主に角膜知覚神経の走行を評価する。また、角膜知覚に関連のあるNGFの発現について検討を行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
今年度研究の進捗が遅れ、次年度に研究費を繰り越した
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