2022 Fiscal Year Research-status Report
水素投与によるマウス未熟児網膜症の改善効果および血管内皮前駆細胞の動態の検討
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18K16937
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
中川 喜博 東海大学, 医学部, 講師 (20459465)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 未熟児網膜症 / 酸素誘発網膜症 / 水素水 / 網膜血管新生 / 血管内皮前駆細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
以前の研究結果よりマウス未熟児網膜症モデルにおける病的血管形成の程度が、マウスの体重によりばらつきが大きいため、網膜切片作成時の体重が6.0~7.5gのマウスに焦点をしぼって研究を進めた。 また今年度は高濃度水素の投与時期による網膜血管への影響を検討するため、投与時期をP(生後)12とP15の2つの群を設けて検討した。P7よりP12までマウスを75%酸素投与下で飼育し、それぞれP12もしくはP15において片眼に飲料水より作成した高濃度水素水を、もう片眼には脱水素水を結膜下投与した(各10μL)。その後、P18に摘出した眼球より網膜を採取し、Isolectin B4で染色して蛍光顕微鏡下網膜血管を撮影した。 撮影した写真を画像解析ソフトを用い、病的血管網を示す無血管領域(AVA)と血管新生領域(NVA)の面積を比較検討した。 その結果、P12投与群、すなわち高酸素曝露直後に高濃度水素水を投与した群は、対照の脱酸素投与群と比較して、網膜血管のAVA、NNAともに有意な差はみられなかった(P=0.394, P=0.142)。一方、P15投与群においては、AVAは有意に高濃度水素投与群で少なく、NVAでは有意な差はみられなかった(P=0.003, P=0.176)。 よって、P15投与の方が、網膜血管への影響も出やすいことが示唆され、今後高濃度水素の投与は、P15を固定とし、EPCの動態含めて解析を進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
臨床業務と兼任しているが、その業務が圧迫し十分なエフォートを割けられなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
高濃度水素水の投与時期を生後15日と固定し、EPCの動態解析のため、網膜切片のサンプル数を補いながら骨髄細胞および末梢血細胞を採取し、検討を進めていく。
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Causes of Carryover |
研究補助員確保が困難であったため実験の遂行に遅れが生じた。 次年度は確保の見込みがたち、研究を促進させることが可能と思われる。
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