2023 Fiscal Year Research-status Report
水素投与によるマウス未熟児網膜症の改善効果および血管内皮前駆細胞の動態の検討
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18K16937
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
中川 喜博 東海大学, 医学部, 講師 (20459465)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 未熟児網膜症 / 酸素誘発網膜症 / 高濃度水素水 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度の研究成果により、マウス酸素誘発網膜症モデルにおける高濃度水素の投与時期を生後15日(P15)と固定して、追加研究を行った。マウス酸素誘発網膜症モデルは以前の通り、P7よりP12までマウスを75%酸素投与下で飼育し、その後室内気で生育する。水素水投与群はP15において片眼に飲料水より作成した高濃度水素水を、もう片眼には対照群として脱水素水を結膜下投与した(各10μL)。その後、P18に摘出した眼球より網膜を採取し、伸展標本としてIsolectin B4で染色して蛍光顕微鏡下網膜血管を撮影した。 撮影した写真は画像解析ソフトを用い、病的血管網を示す無血管領域(AVA)と血管新生領域(NVA)をそれぞれ算出し、その面積を比較検討した。 その結果、処置群は網膜血管のAVA、NNAともに有意な差はみられないという結果になった(P=0.341, P=0.310)。結果にばらつきが多いこともあるが、有意な差は示すことができず、さらに投与期間を単回より回数を増やすことで有意性の有無を確かめていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
一番肝となる網膜血管の研究結果において、実験群と対照群で有意な変化が見られず、次のステップとなる実験に進められずにいる。
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Strategy for Future Research Activity |
実験群への介入の仕方(高濃度水素水の投与の仕方)を工夫して、対照群との差を比較検討する。それでも有意な差がない場合は、それを妥当な研究結果として次の研究を進めていく。
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Causes of Carryover |
今年度も研究補助員確保が困難であったため実験の遂行に遅れが生じた。 次年度は確保の見込みがたち、研究を促進させることが可能と思われる。 実験動物や試薬の購入、顕微鏡使用料など実験そのものに伴う経費が主体となる。 まとまったデータとなれば学会発表とし、その出張・参加費として利用する。
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