2018 Fiscal Year Annual Research Report
アカントアメーバ角膜炎発症に関する角膜内の免疫動態の解明
Project/Area Number |
18K16938
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
中川 迅 東京歯科大学, 歯学部, 助教 (40646684)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | アカントアメーバ角膜炎 / ステロイド / 共生菌 / 脱シスト化 / PAS染色 |
Outline of Annual Research Achievements |
<研究目的> 我々はこれまでアカントアメーバ角膜炎の発症には共存する菌が必要である、ということを実験的に証明し報告してきた。今回、アカントアメーバ角膜炎に対するステロイド投与の影響を確かめるべく、緑膿菌をアカントアメーバに共生させ発症させた角膜炎に対するステロイドの影響を検証した。 <研究実施計画> 緑膿菌を低濃度群と高濃度群の二群に分けて共培養し、ステロイド投与を行うことで角膜炎に影響するか否か、を実験的に検証した。また低濃度群においては接種後12時間後よりステロイド投与を施行した群に関して検証した。 <結果> 結果として低濃度群ではステロイド投与群と非投与群の両群で角膜炎発症はほぼみられなかったが、12時間後よりステロイド投与を施行した群では角膜炎の増悪がみられた。また高濃度群ではステロイド投与群で著明に増悪した角膜炎の発症がみられた。病理組織像ではファンギフローラY染色でアメーバシストは染色されず、PAS染色でアメーバが集簇した像が確認された。 <考察> この結果から、アカントアメーバ角膜炎に対してのステロイド投与は増悪する因子となる可能性が示唆された。ステロイドは感染成立後の状態をより増悪させる効果があることも示唆された。また病理像から、ファンギフローラY染色で染まらず、アメーバシスト像が確認できなかったことから、ステロイドがアメーバの脱シスト化を促してアメーバの病原性が高まった可能性が考えられた。 研究結果を論文としてScientific reportsへ投稿し、アクセプトされた。
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