2021 Fiscal Year Research-status Report
アカントアメーバ角膜炎発症に関する角膜内の免疫動態の解明
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18K16938
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
中川 迅 東京医科大学, 医学部, 助教 (40646684)
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Project Period (FY) |
2021-03-01 – 2023-03-31
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Keywords | アカントアメーバ角膜炎 / アカントアメーバ角膜炎動物モデル / ステロイド |
Outline of Annual Research Achievements |
アカントアメーバ角膜炎は臨床においてステロイド投与を行う事で予後不良となることが、これまで多くの既報から報告されてきた。しかし、ステロイドがアカントアメーバ角膜炎を消炎し、病像がマスクされ初期治療に遅れが生じることで予後不良となるのか、またはステロイドそのものがアカントアメーバに変化を与え、角膜に対する病原性を増大させてしまう事で予後不良となるのか、という点は解明されておらず、議論の余地があった。 我々は共生菌を用いて家兎アカントアメーバ角膜炎モデルを発症させ、ステロイド点眼投与を角膜炎発症直後から行い、角膜炎の病像の変化を経過観察した。 結果としてステロイド投与は角膜内のアカントアメーバの形態変化を誘導させ、それに伴いより重篤なアカントアメーバ角膜炎が発症する事を実験的に証明した。 ステロイド点眼投与はアカントアメーバに直接的に増悪因子として働く事が実験的に分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ステロイド投与によってアカントアメーバが角膜内で形態変化を生じる報告はこれまでになく、大きな前進と考えられる。アカントアメーバがステロイドによってどのように形態変化を生じるのか、分子レベルで証明することができればよりメカニズムは解明されたと言える。 今後はより飛躍的な分子レベルでの解析を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
Vivoにおいてアカントアメーバの形態変化が生じる事を本研究で証明した。 今後はVitro内でステロイド点眼がどのようにアカントアメーバに作用するのか、どういった因子が重要となるのか、またその形態変化を止める作用の薬剤は存在するのか、などを細かく観察していく。 最終的にはステロイドにより病原性が惹起されたアカントアメーバ家兎モデルに対して治療薬を検討できるか、という観点でも検証を行っていく。
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Causes of Carryover |
今後の追加実験に対する動物購入、アカントアメーバ購入、試薬、及び治療薬の購入に使用する予定である。
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