2018 Fiscal Year Research-status Report
Investigating a neural network and establishing methods of objective evaluation for photophobia
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18K16939
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
堀口 浩史 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (90385360)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 羞明 / ダイナミックレンジ / 神経画像法 / 客観的評価 / 心理物理学的手法 |
Outline of Annual Research Achievements |
羞明(まぶしさ)は非常に強い明るさに伴う視機能低下あるいは不快であり、光による眼障害の忌避のために存在していると考えられる。羞明の生成には、視覚系と三叉神経系への疼痛経路の入力を中心とする体性感覚系が関与しており、どちらか一つの経路からの入力でも羞明は生じるが、両者の相互作用により羞明は増強すると考えられる。また、眼疾患を有する患者では、部屋の照明のような比較的弱い光源であっても、眼が眩み行動制限をおこすような強い羞明(病的羞明)が生じることがある。このように羞明は個人の身体的条件や環境条件によって、惹起される場合としない場合がある。ただ、羞明は疼痛と同様に外的要因のみで定義されず、内的要因により大きく変動する。よって、存在判定・程度判定は、現在はスケーリングといった主観的な方法しかない。そこで本研究ではfMRIなどの非侵襲的な神経画像法を用いて、羞明の客観的評価を確立することを目標として研究を計画した。コマ収差やグレア錯視を用いて、物理量を変化させずに羞明を惹起するような視覚刺激を作成して脳活動を計測する。6000ルーメンの高輝度プロジェクターを用いて、強い羞明を生じさせるための効果的な視覚刺激を現在作成中である。また、簡便な心理物理的方法による「視覚のダイナミックレンジ」計測の確立をする。視覚のダイナミックレンジは、羞明に影響を及ぼすと考えられる、明るさを弁別できる範囲である。さらに、dMRIやqMRIといった神経画像法を用いて、ヒトの白質、特に視放線を計測して、疾患群と視覚正常群での評価を行った。羞明との直接的な因果関係は計測していないが、患者群では白質線維の状態が異なることを発見して、雑誌および学会報告を行った。この手法を確立させることで羞明患者での応用が期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
心理学的手法によるダイナミックレンジ評価、また正常被験者と患者群間の視放線などの白質比較など、関連する研究に関しての進捗は概ね良好と言える。しかしながら、視覚刺激の作成で難航を来しており、fMRIによる灰白質の機能評価が遅延している。そのため、区分を(3)やや遅れている。とした。
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Strategy for Future Research Activity |
ポータブルデバイスを用いた心理学的手法によるダイナミックレンジ評価や、また正常被験者と患者群間の視放線などの白質比較など、関連する研究に関しての進捗は概ね良好と言えるため、今後は視覚作成刺激により注力する必要がある。
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Causes of Carryover |
初年度の初期投資を他の基金で支払うことが可能であったため、差額が生じた。今後MRI使用料が増加すること、論文掲載の費用が年々上昇していることから、過不足無く使用できると考えられる。
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Research Products
(7 results)