2019 Fiscal Year Research-status Report
上斜筋麻痺における下直筋後転術の治療効果に影響を与える因子に関する検討
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18K16952
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
古森 美和 浜松医科大学, 医学部附属病院, 医員 (30467245)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 下直筋後転術 / 下直筋鼻側移動術 / 滑車神経麻痺 / 外方回旋 / 回旋矯正効果 / 下斜筋切除術 / 上斜筋麻痺 / 斜視手術 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度の当科での下直筋後転術を施行した患者は11名で、9名が片眼、2名が両眼の手術を施行した。現在これらの術後結果データを解析中である。 また、2019年度は両眼の下直筋鼻側移動術に下斜筋切除術を併用した大角度の後天性滑車神経麻痺2例についての研究を行った。滑車神経麻痺の回旋偏位に対する術式としては、原田-伊藤法、下直筋の鼻側移動術や上直筋の耳側移動術、下斜筋減弱術や前方移動術などがあるが、いずれも単独手術では大角度の回旋偏位を矯正するには不十分なことが多い。そこで、今回、大角度の回旋偏位を有する後天性滑車神経麻痺2例に対し、両眼の下直筋鼻側移動術と下斜筋切除術の併用手術を行った。併用手術における回旋矯正効果は、症例1では、第一眼位(正面視)で30度、下方視で31度、症例2では第一眼位(正面視)および下方視で21度であった。2例とも一度の手術で回旋複視の自覚が改善した。この研究から、両眼の下直筋鼻側移動術と下斜筋切除術の併用手術は一度で大角度の回旋偏位を矯正できる有用な術式であることを示した。この研究について、一般口演として第124回日本眼科学会総会(4月16~19日東京開催予定→新型コロナウイルス感染症拡大に伴い4月27日~5月10日Web開催に変更)に演題登録し、準備を進めた。 また、同内容について、英語論文としてAmerican Journal of Ophthalmology Case Reportsに現在投稿中である。今後も研究を継続していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2018年の4月に第122回日本眼科学会総会で、上斜筋麻痺に対する僚眼下直筋後転術が上下偏位に与える効果の検討につき、一般口演で発表し、同内容を日本眼科学会に論文投稿した(日本眼科学会雑誌 (0029-0203)123巻1号 Page45-50(2019.01))。 2019年の下直筋後転術を施行した患者は11名で、9名が片眼、2名が両眼の手術を施行した。現在これらの術後結果データを解析中である。 両眼の下直筋鼻側移動術に下斜筋切除術を併用した大角度の後天性滑車神経麻痺2例についての研究を行い、一般口演として第124回日本眼科学会総会(4月16~19日東京開催→Web開催に変更)に演題登録し、準備を進めた。 また、同内容について、英語論文としてAmerican Journal of Ophthalmology Case Reportsに現在投稿中である。 上記内容のおとり、下直筋後転術の研究はおおむね予定通り進んでいると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度も引き続き、当科で下直筋後転術を施行した患者を登録、解析していく。また、上下変位の矯正効果に加え、回旋矯正効果についても研究していく。このため、両眼の下直筋後転術と下斜筋切除術の併用手術を施行した患者の登録、解析なども並行して行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
2019年度は国際学会への参加はなく、国内での学会参加も少なくかったため、旅費や学会登録費の請求が予想より少なかった。また、論文も現在投稿中であり、投稿料なども発生しなかった。このため、次年度使用額が生じた。
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Research Products
(3 results)