2020 Fiscal Year Research-status Report
加齢黄斑変性における病的新生血管の成熟と血管安定化の病態の統合的解析
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18K16953
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
片岡 恵子 杏林大学, 医学部, 講師 (30760516)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 加齢黄斑変性 / OCT angiography |
Outline of Annual Research Achievements |
加齢黄斑変性に伴う脈絡膜新生血管は、抗血管内皮増殖因子の硝子体投与により、縮小させることが可能となったが、脈絡膜新生血管は消失せず、また抗血管内皮増殖因子の硝子体投与に対し抵抗を示す例も中にはある。現時点で、以下のことを明らかとし学会発表及び論発表を行った。 1)未治療の加齢黄斑変性における脈絡膜新生血管は、初回の抗血管内皮増殖因子薬に反応し血管のサイズを縮小させるが、その後抗血管内皮増殖因子薬を毎月連続投与しても徐々に血管のサイズは治療前のサイズまで戻り、血管径の拡大やループ状の血管形成を生じることを明らかとし、論文で報告した。 2)Type 1脈絡膜新生血管はType 2脈絡膜新生血管に比べて、抗血管内皮増殖因子の硝子体投与に抵抗性を示すことがすでに報告されている。OCT angiographyを用いた解析により、未治療の加齢黄斑変性であっても、Type 1脈絡膜新生血管は既に、より血管分枝密度の低い血管であることを明らかとし、血管がすでに成熟している可能性があり、これが抗血管内皮増殖因子薬に対する抵抗性の一因であることを報告した。 3)未治療の加齢黄斑変性における脈絡膜新生血管に対し、抗血管内皮増殖因子薬による治療を継続したにもかかわらず脈絡膜新生血管は治療前より有意に拡大した。治療間隔が長く、年齢が若いほど脈絡膜新生血管の拡大は大きく、抗血管内皮増殖因子薬の限界が明らかとなった。また、長期マネージメントの課題も浮き彫りとなった。このことはすでに国内学会発表は終了し、論文作成に着手している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍において学会発表を延期したことから研究が後ろ倒しとなった。 国際学会での発表および論文作成は2021年度中に行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は2020年度に行えなかった学会発表および論文発表を行う予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍で学会発表を延期したため、2021年度に学会発表を行う予定である。
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