2018 Fiscal Year Research-status Report
Developments of Frictional Coefficient Measuring Unit on Human Ocular Surface and Computational Program to Create Empirical Formula
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18K16959
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
坂根 由梨 愛媛大学, 医学部附属病院, 助教 (00601478)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 臨床研究 / 眼科学 / 眼表面摩擦 |
Outline of Annual Research Achievements |
眼表面摩擦を解明するために、我々は眼表面の涙液を潤滑油と考え、機械工学における軸受の摩擦を応用し、眼表面の摩擦係数は涙の粘度、瞬目の速度、眼瞼圧に関係していると推定して、これらのパラメータを測定する眼表面摩擦係数測定機と測定データを整理する計算プログラムを開発に取り組んでいる。当該年度では、我々は眼表面摩擦係数測定機2号機(Ocular surface tribometer)を用いて正常被験者(6名6眼)の角膜中央と耳側結膜の測定を行った。その結果を元に、摩擦特性曲線を作成するのに必要なパラメータを、粒子群最適化法を用いた計算プログラムと遺伝的アルゴリズムを用いた計算プログラムで解析した。粒子群最適化法と遺伝的アルゴリズムは、無数の解の組み合わせから最適解を導き出す手法であり、これらの二つの計算プログラムを比較し、より適した結果を計算できるようにプログラムの調整を行った。また、これらの二つの計算プログラムを同時に行えるようにしたことで、以前より短時間に解析が行えるようになった。この計算プログラムで算出したパラメータから正常者6名の摩擦特性曲線を作成したところ、3種類の潤滑パターンに分類できることが明らかになった。そのパターンは混合潤滑、流体潤滑、混合潤滑と流体潤滑の中間の3つであり、今回の検討では混合潤滑が1例、混合潤滑と流体潤滑の中間が1例、流体潤滑が4例であった。正常者では流体潤滑状態が多いことが示唆された。また、全例で角結膜上皮障害などの有害事象はみられなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定どおり正常被験者の眼表面摩擦の計測を行い、結果を解析する計算プログラムの調整など今後の計画の基礎となる部分が順調に進展しており、大きな遅れもみられない。
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Strategy for Future Research Activity |
眼表面摩擦係数測定機2号機(Ocular surface tribometer)による評価の正確性を確認するため、涙点プラグ挿入前後の涙液増加により摩擦係数や摩擦特性曲線の変化、ドライアイ患者での測定など、臨床での測定と解析を進めていく。
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Causes of Carryover |
今年度は正常者での測定結果をもとに測定機器の調整と、結果を解析する計算プログラムの改良を主に行った。そのため被験者数が少なくなり、謝金などにかかる費用が少なかった。研究の基礎である機器の調整と計算プログラムの改良が伸展したため、次年度では実際に臨床でドライアイ患者などに対して測定を行う予定であり、来年度の謝金や測定時に必要な点眼薬やプローブなど物品に対する費用に使用する予定である。
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