2018 Fiscal Year Research-status Report
ミトコンドリア自家蛍光を利用した角膜内皮機能評価の機器開発
Project/Area Number |
18K16965
|
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
山口 昌大 順天堂大学, 医学部, 准教授 (20574700)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 角膜内皮細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、角膜内皮細胞培養シートを用いて、多光子励起顕微鏡(MPLSM)による角膜内皮細胞のNADH/NADPH自家蛍光の測定、新しい角膜内皮細胞機能の評価機器の構築を目指す。NADHをマーカーとした細胞活性を評価することができれば、臨床では角膜移植の効率的な術式選択が可能となる。基礎研究においても、ES細胞、iPS細胞を用いた角膜内皮再生医療の発展が期待されている。培養を行っても、実際の移植において細胞機能を評価することは重要である。現在はNa/K ATPase、ZO-1、N-Cadherinなどの機能マーカーでin vitroでは評価できるが、移植前後のin vivoにおける評価はスぺキュラマイクロスコープによる細胞密度のみである。MPLSMによる生体イメージングが可能になれば、再生医療分野での臨床応用の成功に大きく寄与できる。本年度の成果は、in vitro 培養角膜内皮細胞を用いてNADH/NADPHの生体イメージングの条件設定および有効性を検討した。異なる細胞密度(500、1000、2000、3000/mm2)の培養シートにおいて、ある条件下でNADH/NADPHの自家蛍光を撮影し、発光強度に差が生じることを認めた。このことは、内皮細胞機能を非侵襲的、かつ客観的に評価できる可能性を示唆している。しかし、内皮細胞のポンプ機能を抑制するouabainを用いて、信号強度の違いを測定する予定であったが、本年度内に到達できなかった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初の計画では本年度にポンプ機能抑制の条件下でのNAD/NADPの発現比較をおこなう予定であったが、条件設定に時間が要したため、本年内に終了することができなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度の目標は、in vivo水疱性角膜症家兎モデルへのシート移植、NADH/NADPH自家蛍光測定である。異なる細胞密度(500、1000、2000、3000/mm2)の培養内皮細胞シートを移植し、MPLSMを用いた撮影でNADH/NADPHの自家蛍光から内皮機能を測定する。術後(術翌日、3日、1 週間、2週間、1月)の角膜厚、ZO-1、Na/K ATP-ase, Phalloidinの免疫染色、タンパク発現を測定し、NADH/NADPHの自家蛍光との相関を検証する。
|
Causes of Carryover |
当該年度の研究課題は2つあり、(1)異なる細胞密度(500、1000、2000、3000/mm2)のNAD/NADP自家蛍光の信号強度の違い、(2)細胞密度3000/mm2内皮シートに異なる濃度のouabainでポンプ機能を抑制し、NADH/NADPH自家蛍光の信号強度の違い、であった。しかし、ouabainポンプ機能抑制の条件下でのNAD/NADPの発現比較をおこなう予定であったが終了できなかったため、海外の学会で発表することができなかった。来年度は動物実験を予定しており、本年度分を繰り越して使用する予定である。
|
Research Products
(2 results)