2018 Fiscal Year Research-status Report
内因性脂質メディエーターに注目した眼表面疾患の制御
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18K16966
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
岩本 怜 順天堂大学, 医学部, 助教 (10568207)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | レゾルビン / アレルギー性結膜炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、脂質メディエーターと眼表面疾患(角膜創傷治癒やアレルギー性結膜炎)について研究してきた。平成30年度はアレルギー性結膜炎の研究を中心に行った。ブタクサ花粉を免役したマウスに、ブタクサ花粉を点眼用投与し、マウスアレルギー性結膜炎モデルを作成した。その際にレゾルビンを抗原と同時に点眼し、コントロール点眼群と比較すると、レゾルビン点眼群では、マウスの結膜充血や眼脂、まぶたの腫脹などのクリニカルスコアが有意に低かった。また、結膜組織中の好酸球数においてもレゾルビン点眼群は有意に低い結果となった。我々は、そのメカニズムがTh2型サイトカインを介した機序と仮説を立て、インターロイキン(IL)-4、IL5、IL13や好酸球の浸潤に関与するCCL5(Rantes)、CCL11(Eotaxin)の発現量を定量PCRで評価した。予想に反し、サイトカインはいずれにおいてもコントロール群と有意差は認めなかった。この結果は、レゾルビンによるアレルギー性結膜炎の抑制効果がTh2型サイトカインを介さない機序で働いている可能性を示唆するものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
臨床業務を行いながら研究を進めているため、当初の予定よりやや遅れている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
レゾルビンによるアレルギー性結膜炎の抑制効果のメカニズム解明のため、レゾルビン点眼群とコントロール群の結膜を採取し、マイクロアレイ法で網羅的に遺伝子解析を行う予定である。また、2群の結膜を用いて脂質の一斉定量を行うことで、レゾルビンによる炎症性脂質の抑制効果などを定量する。
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Causes of Carryover |
当該年度は研究が当初の予定より進まず、計画していたマイクロアレイ法による網羅的な解析ができなかった。次年度はまずマイクロアレイ法による解析から始める予定である。レゾルビン点眼群とコントロール群で3検体ずつサンプルを提出する予定である。1サンプル辺り約10万円の費用がかかるため、約60万円の費用がかかる見込みである。また、脂質の一斉定量や定量PCRなども試行予定である。国内外の学会参加などは当初の予定通り参加予定である。
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Research Products
(2 results)