2018 Fiscal Year Research-status Report
メラノーマの転移機序をCirculating tumor cellsから捉える
Project/Area Number |
18K16973
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
前田 拓 北海道大学, 医学研究院, 助教 (80813542)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | CTC / メラノーマ / 転移 |
Outline of Annual Research Achievements |
メラノーマは悪性度の高い皮膚癌である。血行性に肺などの他臓器へ遠隔転移すると5年生存率は10%前後となり、血行性転移をするかどうかで生命予後は大きく異なる。血管内を浮遊する腫瘍細胞はCirculating tumor cell (CTC)と呼ばれる。CTCは遠隔転移する前に必ず出現し、血行性転移を反映する。効果的な化学療法が存在する乳癌や前立腺癌などでは、CTC値が化学療法の効果判定の指標として利用される。メラノーマにおいてはCTC検出手技の報告はあるものの、広く臨床応用されるまでには至っていない。 我々は、マウスを用いてメラノーマの転移様式を様々な角度から研究してきた実績を持つ。その経験を生かし、マウスメラノーマ移植モデルを用いてCTCを捉えることによってメラノーマの血行性転移の機序を解明することを本研究の目的とした。 まずはマウスメラノーマ移植モデルにおいて、再現性があり高い感度でCTCを検出できる手技手法を確立することを目指した。過去の他の癌腫の報告に準じて、腫瘍細胞のサイズ、密度、細胞表面マーカーなどの分子生物学的性質の違いを利用した各種検査をマウス血液検体を用いて実施した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
評価方法として重要なCTC検出法の確立にやや難渋している。 これまで密度勾配遠心分離法、免疫磁性分離法、共培養法、蛍光顕微鏡観察法などの手法を用いて検討してきた。CTC検出には複数の検査方法を組み合わせることが必要であることが明らかになっており、現時点で密度勾配遠心分離法による、腫瘍細胞の濃縮は可能であることを確認した。それ以外の方法において再現性のある検出法を確立するに至らず、現在検討している。
|
Strategy for Future Research Activity |
他の癌腫におけるCTC検出法の過去報告を参考に、検出法を検討していく。 現在施行中である免疫磁性分離法における抗体濃度、種類、反応条件などを複数試行し、より再現性の高い検出法を検討する。またrealtime RT-PCR、FACSなどのより高感度な検出法を試行する。 検出法をある程度確立できた段階で、in vivoのマウスを用いた実験と組み合わせ、原発巣および転移巣周囲の分子生物学的性質の解析を行っていく。
|