2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of antiangiogenic therapy targeting mTOR signaling pathway for the treatment of complicated vascular malformations
Project/Area Number |
18K16974
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
石川 耕資 北海道大学, 医学研究院, 客員研究員 (60791374)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 血管奇形 / 血管新生 / 血管内皮細胞 / 硬化療法 / ラパマイシン / シロリムス / 動静脈奇形 / 脈管奇形 |
Outline of Annual Research Achievements |
血管奇形は局所的な脈管形成異常により生じた先天性の病変で、我が国の疫学調査では42%が難治性であり、術後の再発予防を含めた新たな薬物療法の開発が望まれる。血管奇形の病変増大には、血流不均衡による局所的な低酸素状態に起因した血管新生の寄与などが考えられるが、その病態はいまだ解明されていない。治療法には切除や塞栓療法、硬化療法などがあるが、確立された薬物療法はない。近年、欧米で行われたラパマイシンを用いた難治性血管腫・血管奇形に対する第Ⅱ相臨床試験において、85%の症例で改善が認められ、新たな薬物療法として期待が高まっているが、血管奇形に関する基礎研究は少ないのが現状である。ラパマイシンは、その標的タンパク質mTORの阻害によって血管新生を抑制する作用があるとされる。血管奇形において、特に硬化療法後にmTOR経路を中心とした血管新生が起きているのかを検討し、mTOR経路をターゲットにした新たな治療を開発することを本研究の目的とした。 北海道大学病院および斗南病院において、本研究に関する自主臨床研究を申請し、承認を得た。対象となる血管奇形の症例を調査し、その特徴的な臨床所見について論文発表した。対象となる症例の既存パラフィン包埋組織標本を調査し、HE染色、膠原線維染色による病理組織学的検討を行い、mTOR経路のタンパク質に対する免疫組織化学染色を検討した。硬化療法後に閉塞した血管内で血管新生したと考えられる血管内血管の所見を認めた。また、血管奇形の手術残余検体を用いて組織片培養により血管内皮細胞の初代培養を行ったが、線維芽細胞の混入があり、CD31抗原に対するフローサイトメトリーによる血管内皮細胞の単離方法について検討した。さらに、ラットを用いた硬化剤による大腿静脈閉塞モデル作製を検討したが、鼡径部を切開し直視下に大腿静脈を穿刺する方法では手技的に安定したモデルはできなかった。
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Research Products
(7 results)