2019 Fiscal Year Research-status Report
The novel lymphedema treatment using the plasma hemostasis and the antifibrosis antibody
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18K16977
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
山路 佳久 千葉大学, 医学部附属病院, 特任助教 (80400951)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | リンパ浮腫 / 線維化 / CD69 / myl9 / リンパ新生 / リンパ節移植 |
Outline of Annual Research Achievements |
リンパ節郭清後の急性期、慢性期リンパ浮腫に対する外科的治療、いずれにおいても組織損傷からの治癒過程で組織の線維化が惹起され、筋線維芽細胞が増殖するにもかかわらず、リンパ鬱滞環境下での線維化並びに成熟リンパ管の新生障害の病態は解明されていない。リンパ流障害後の創傷治癒過程の解明と改善がリンパ浮腫の予防と新たな治療開発において重要である。 近年慢性炎症に引き続く線維化にCD69陽性炎症細胞と活性化された血小板から放出されるMyosin light chain(myl)9の結合が重要な役割を持つことが明らかになっている。初年度はCD69欠損マウスを用いて腹部リンパ流鬱滞モデルを作成し、線維化とリンパ管新生における通常マウスとの差異を検討し、結果としてCD69欠損マウスにおいて有意にリンパ新生、線維化の形成が抑制を認めた。また、リンパ鬱滞部位に対する血管柄付きリンパ節移植によるリンパ新生の評価を行ない、血流がある方がリンパ節周囲の線維化が有意に少ない結果であった。 前年度を踏まえて、次年度では急性炎症期におけるmyl9の血漿中濃度の経時的変化を測定し、データ収集を行っている。また、CD69欠損マウスにおけるリンパ節移植を行っているが、マウスに対する侵襲が大きく死亡する例が多く、実験継続中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
CD69欠損マウスの脆弱性もあり、予定していたリンパ節移植による実験の遂行が困難であったこと、また急性炎症期のデータ収集に時間がかかっていること、またプラズマの開発、drug delivering systemの構築にはかなりの時間を要する見込みである。
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Strategy for Future Research Activity |
抗線維化治療の開発の基礎となる研究をさらに進めていく。具体的には、前年度の実験の継続であり、CD69欠損マウスでのリンパ節移植、線維化とリンパ新生の評価、また、プラズマ止血における抗線維化の効果判定、そして炎症状態にある生物でのmyl9血中濃度の動態を検索し、drug delivery systemを用いた抗線維化の効果判定を行っていく。
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Causes of Carryover |
実験が想定していた計画より遅れているため、本来使用される費用が次年度使用額として生じている。今後は実験をさらに進めて行き、使用する方針である。具体的には、CD69欠損マウスの作成にかかる費用、また線維化とリンパ新生の評価を行うための試料や薬剤、機器の購入を検討している。また、炎症状態にある生物でのmyl9血中濃度の測定のためのシステム構築、そしてdrug delivery systemの確立のための各種製剤費、論文や学会発表のための費用に使用する予定である。
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