2019 Fiscal Year Research-status Report
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18K16979
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
金山 幸司 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (40612601)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 毛髪再生 / 毛乳頭細胞 / 毛根鞘細胞 / 低酸素培養 / 毛包新生 / 細胞移植 / 再生医療 / 幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に引き続き、細胞移植形態の最適化を行った。まずヒト由来の毛乳頭細胞(DPC)と真皮毛根鞘細胞(DSC)を混合して三種類の移植形態(細胞懸濁液、細胞シート、細胞凝集塊)を作製した。各移植形態細胞群よりtRNAを抽出・精製した後、リアルタイムPCRにより毛包誘導能関連遺伝子のmRNA発現量を解析したところ、細胞シート群ではDPCおよびDSCのTGFB2の発現が増大することを確認した。またDSCの細胞凝集塊は、細胞懸濁液と比較してALPの発現が100倍以上高値を示した。次にサンドイッチ法を用いて毛包誘導能の評価するための動物実験を行った。DPCおよびDSCの細胞懸濁液、細胞シート、細胞凝集塊をそれぞれ免疫不全マウスの背部皮膚に移植後、得られたサンプルの組織学的解析を行ったところ、DPCにおいては細胞シート群の再生毛包数が細胞凝集塊群よりも有意に多かった。一方、成熟再生毛包の数はDSCの細胞シート群で最も多かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画書の予定通り、毛包由来間葉系細胞の初代培養、細胞移植形態の作製、遺伝子発現解析、細胞移植実験、組織学的評価を全て行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、データを補完するための追加実験を行い、本研究で得られた成果の報告を行う予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響で参加を予定していた学会が延期となった。研究遂行上、学会参加による情報収集が不可欠なため代替の学会が開催される次年度まで研究期間を延期する必要が生じた。また新型コロナウイルスの影響により、予定していた研究試薬の納品が年度内に実施できないため、研究遂行上必要な当該研究試薬の納品が見込まれる次年度まで研究を延期する必要が生じた。今後は学会参加および研究試薬の納品が可能になった段階で、可及的速やかに繰り越した助成金を使用する予定である。
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