2018 Fiscal Year Research-status Report
マクロファージ由来のエクソソームを用いた末梢神経再生研究
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18K16983
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
内堀 貴文 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (30625760)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | エクソソーム / 骨髄芽球 / マクロファージ1 / マクロファージ2 |
Outline of Annual Research Achievements |
エクソソームの抽出に成功した。細胞培養液を200gの遠心分離にかけ、apoptotic bodyを沈殿させ、17,000gの遠心分離にてmicrovesicleを沈殿させる。このことによりエクソソーム含有液を抽出することが出来た。また、これをエクソソームのみにするため、165,000gの超遠心分離にてエクソソームを沈殿させ、抽出、洗浄した。 エクソソームはCD9、CD63、CD81抗原を発現されるとされるため、抗CD9付きビーズをエクソソーム含有液に入れ、ビーズにエクソソームを吸着させた後、抗CD63+FITC抗体にて標識した。これをおよびフローサイトメトリーにて識別することによりエクソソームの存在を確認した。また、電子顕微鏡にてもこれらの存在を確認した。 次に、ラットの骨髄より骨髄芽球を採取した。M1マクロファージはTh1 細胞由来のINFγにより誘導され、M2マクロファージはTh2細胞由来のIL-4・IL-13により誘導されるとされる。 現在、骨髄芽球の培養液にラット由来のINFγとIL-4を入れて培養し、M1およびM2への分化誘導を図っているが、文献によりその濃度は異なる。現在は、文献上最も多くみられる、10ng/mlに合わせ、分化誘導を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
エクソソームは微小な物質であり、電子顕微鏡やフローサイトメトリーにて認識するには、ある程度の濃度が必要となる。高濃度のエクソソーム溶液の抽出に手間取り、実験の最初の段階で時間がかかってしまった。 よってまずは骨髄芽球ではなく、大量に得やすい血漿にて効率的なエクソソーム抽出方法について研究した。その段階をクリアできたので、現在はM1およびM2への分化誘導を行っている。 分化誘導に必要なサイトカインの濃度について調整し、培養している。その途中でインキュベーターの故障により細胞が死滅したり、コンタミネーションにより細胞が上手く得られなかったことも、研究の遅れの原因となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、骨髄芽球からマクロファージ1および2への分化誘導をし、その培養液よりエクソソームを抽出する。 そのエクソソームを神経障害モデルラットに注入することにより、その回復が促進されるかどうか確認する。
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Causes of Carryover |
初年度において、マクロファージ1および2由来のエクソソームを抽出する予定であったが、エクソソーム抽出段階、マクロファージ1および2への分化誘導段階、これらの細胞培養段階において遅れが生じた。 これらの原因により、次年度にするべき作業および購入物品が多くなると考え、次年度への繰り越しとした。
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