2019 Fiscal Year Research-status Report
エクソソームによる間葉系幹細胞の情報伝達の解明と新たな骨再生技術の開発
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18K16995
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
熊澤 憲一 北里大学, 医学部, 講師 (60383618)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 間葉系幹細胞 / エクソソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
凍結保存された骨組織由来間葉系幹細胞に置いて長期間凍結保存を行なっても、骨形成能、多分化能が維持できていることを確認し、骨組織由来の凍結保存された間葉系細胞が、代替骨を作成するための細胞供給源となりうることを確認してきた。骨組織由来間葉系幹細胞およびある程度分化した細胞を分離し、凍結保存を行うことで細胞のbankingを 行い、移植医療を行う際に余計な侵襲を加えることなく、再生医療の技術を用いて組織再生を行うことを目的としてきた。一方で近年、エクソソームががんの転 移、疾病の発症などに関わっていることが指摘され、多くの研究結果が国内外から報告されている。本研究では、エクソソームと間葉系幹細胞の関わりを解明 し、間葉系幹細胞を用いた組織再生に置いて効率的な方法を行うことで、間葉系幹細胞を用いた組織再生をより現実に近づけるのが目的である。 北里大学医学部 形成外科・美容外科学教室では、新鮮骨細胞および長期間凍結保存された骨組織由来間葉系細胞を用いて 培養上清を採取し、骨組織由来間葉系細胞の凍結保存された期間でわけ、検体の採取を行い保存を行なっている。このエクソソームを用いて、間葉系細胞による骨組織再生を行なっているものの、エクソソームにより骨組織再生が促進されるという効果は確認できてはいない。本研究では、間葉系幹細胞を再生医療に用いるに あたり、エクソソームの関わりを解明することを目的としているが、エクソソームのみでは骨組織の分化促進は生じないことが明らかになったものの、現時点で未だ詳細な検討が行えていないのが現状である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新鮮骨および凍結保存された骨組織由来間葉系幹細胞におけるエクソソーム研究に関しては、私の研究計画と並行して北里大学医学部形成外科教室に於いて、行われており、現時点では、新鮮および凍結保存された骨組織由来間葉系細胞よりエクソソームの採取を行い、凍結保存を行うことができている。骨組織の再生に関しエクソソームを用いた骨組織再生に着手しているものの、未だ効果的なエクソソームの適用方法は解明できていない。今後は、エクソソームの解析を行うとともに、効果的なエクソソームの適用方法の検討を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
エクソソームの解析を進め、新鮮骨組織および凍結された骨組織での、エクソソームの差異についても検討を行う。これまで採取保存されてきた、骨組織由来および脂肪組織由来間葉系細胞におけるエクソソームに含まれるmicro RNAに対し、網羅的な解析を行い、micro RNAの働きに関しても解析を行う。これらの解析により、間葉系幹細胞より分離されるエクソソームの働きがある程度解明された時点で、in vitroだけではなくin vivoでの実験を行う。
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Causes of Carryover |
エクソソームの解析のために使用する予定であったが、年度内にエクソソームの解析が行えなかったため。 次年度にはエクソソームの解析を開始するとともに、in vivoでの研究のための動物の購入などに使用する予定である。
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