2022 Fiscal Year Research-status Report
エクソソームによる間葉系幹細胞の情報伝達の解明と新たな骨再生技術の開発
Project/Area Number |
18K16995
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
熊澤 憲一 北里大学, 医学部, 講師 (60383618)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 間葉系幹細胞 / 骨分化誘導 / エクソソーム / miRNA / small RNA-seq |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでは骨組織由来間葉系細胞を長期間凍結保存を行っても、骨系性能、多分化能を維持しており代替骨組織作成のための細胞供給源になることを確認してお り、より効率的な骨組織作成のために間葉系細胞群とエクソソームの関わりの解明を本研究の主たる目的としている。北里大学形成外科・美容外科学教室では、 これまで多くのヒト骨組織由来間葉系細胞を採取し、長期間凍結保存を行っており、この長期凍結保存細胞を再度培養しエクソソームを採取してきた。結果とし て、ヒト骨組織由来間葉系細胞からのエクソソームの分離・保存までは行うことができている。この分離したエクソソームを用いて間葉系幹細胞群の培養を行っ たが、エクソソームの添加のみでは骨組織の十分な再生には至らなかった。この検体を詳細に検討すると、骨組織は不十分であるもののの、血管新生が促進され ていることが確認できた。血管新生の促進が組織再生においては有効に働くとは考えられるが、この血管新生が骨組織再生にどのように影響しているのかは詳細 な検討が行えていないのが現状である。。骨組織再生がこれまで当教室で採取したエクソソームのみでは促進されないことが分かったが、この原因がどこにある のかも含めて詳細な検討を予定している。これまで当教室で凍結保存されたヒト骨組織由来間葉系細胞(n=3)に対し骨分化誘導を行ったものと、行ってないものの培養上清よりエ クソソームの分離をおこない、エクソソームに内包されるmiRNAの抽出、保存が終了している。この抽出したmiRNAを網羅的に解析を行うため、small RNA-seqを用いて解析を行なっている段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新鮮骨および凍結保存された骨組織由来間葉系幹細胞におけるエクソソーム研究に関しては、私の研究計画と並行して北里大学医学部形成外科教室に於いて、行 われており、現時点では、新鮮および凍結保存された骨組織由来間葉系細胞よりエクソソームの採取を行い、凍結保存を行うことができている。しかし、この方 法で採取したエクソソームでは骨組織由来間葉系細胞の骨形成促進効果は得られなかった。そのため、採取、分離方法を再度見直すこととした。現時点では、新 たな採取方法をもちいて、エクソソームの採取はできており、さらにこのエクソソームに含まれるmicroRNAの解析にとりかかっている。今年度はエクソソームの採取を3検体からまで行うことができ、採取、保存したmicroRNAの解析も一次結果が出ている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
検体数を3検体とし、骨分化誘導をかけない場合、かけた場合に分泌させるエクソソームに含まれるmicroRNAの解析を行う予定で、予定通り3検体よりエクソソーム中に含まれるmiRNAの採取は完了した。網羅的な解析を行うための分析をおこなっているが現在一次結果が出ている状態である。さらに得られた結果を詳細に分析し、骨形成に関わるmiRNAを明らかにする予定である。
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Causes of Carryover |
エクソソームに含まれるmiRNAの分離、抽出に必要な機器は前年度までに購入したので、分離したエクソソームの解析および、研究成果を発表する学会参加費に使用する予定である。
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