2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K17005
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
青木 雅代 日本医科大学, 医学部, 講師 (40465282)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | lncRNA / ケロイド / 細胞外マトリックス / 線維芽細胞 / マトリックス分解酵素 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト正常皮膚およびケロイドから、初代線維芽細胞を培養した。マイクロアレイ法を用いて、遺伝子発現解析とlncRNA解析を網羅的に行った (n=2)。細胞外マトリックス分解酵素であるマトリックスメタロプロテアーゼ (MMP)-1, 3, 7, 10が発現低下を示しており、線維化の進行に関与すると考えられた。これらのMMPsはすべて、遺伝子マップ上、染色体11q22.2に位置している。そこで、染色体11q22.2付近に位置するlncRNAに絞りこんで解析を行った。正常皮膚線維芽細胞と比較して、ケロイドで発現変動の大きいlncRNAを抽出したところ、H19とLINC00900がそれぞれ23倍、7倍の発現上昇を示した。そこで、これら2つのlncRNAの線維化における役割に絞りこんで、調べていくことにした。現在、サンプル数を増やしてマイクロアレイ結果の検証を行うために、引き続き初代線維芽細胞を培養している。今後、遺伝子導入実験、遺伝子抑制実験により、これら2つのlncRNAの新たな機能を探っていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、ターゲットlncRNAを絞り込むところまでを目標としていたため、おおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、サンプル数を増やし、定量的RT-PCRにてマイクロアレイ結果の検証を行う。 ターゲットlncRNAの、ケロイドにおける発現変動が証明されれば、発現プラスミド構築へと進む。発現プラスミドを用いて、遺伝子導入実験を行う。ヒト正常皮膚線維芽細胞に過剰発現させることで、MMPsの発現変動を見る。また、MMPsの転写因子であるAP-1を介して調節している可能性が高いため、AP-1の抑制実験も組み合わせて検証していく。次に、ケロイド由来線維芽細胞を用いる。ターゲットlncRNAをsiRNAで抑制し、MMPsの発現が上昇するかを検証する。
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Causes of Carryover |
マイクロアレイの際、当初サンプル数が3ずつで計画していた。しかし、階層的クラスター分析により、発現パターンが大幅に異なるサンプルがあり、個体差が大きいためと考えられた。その結果により、マイクロアレイによる遺伝子発現解析のサンプル数を2ずつに減らした。そのため、予算の差額が生じた。しかし、個体差が予想以上に大きく、今後の実験では、サンプル数を予定よりも増やしていく必要性がある。そのため、今年度発生した差額分は来年度必要となることが予想される。
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