2021 Fiscal Year Research-status Report
脂肪由来幹細胞とW9ペプチドを用いた新たな骨再生治療の開発
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18K17007
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Research Institution | Osaka Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
大槻 祐喜 大阪医科薬科大学, 医学部, 講師 (70631969)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 骨分化誘導 / 脂肪幹細胞 / W9 / BMP2 |
Outline of Annual Research Achievements |
ラットのAdSCの骨分化に対してin vitro実験を行った。 具体的にはW9を200μMの濃度でP2-P4のAdSCを2週間程度培養を行い、ラットAdSCに対するW9の骨分化能について観察した。結果はアリザリンレッド染色にて石灰化の度合いを検討した。ネガティブコントロールとしてAdSCを維持培地(5%FDS/DEME・F12培地)、ポジティブコントロールとして維持培地+BMP2を用いた。また維持培地をW9含有培地とBMP2含有培地に関しては骨分化培地(デキサメタゾン、アスコルビン酸含有培地)に変えて、実験を繰り返し、石灰化の度合いを評価した。定量化の方法として吸光度測定を用いて行った。 結果としてW9培地で石灰化沈着を認めることができたが、吸光度測定においてはネガティブコントロール群とポジティブコントロール群に対して統計学的に有意な結果を得るまではには至っていない。石灰化沈着自体は得られているため、引き続き培地の濃度や培地構成を工夫してより効率の良い骨分化を得られるようにしていく。また同時にinvivo実験の準備を行っており、次年度はW9で骨分化したAdSCをラットの鼠径部に移植し、術後さらにW9をAdSCに皮下注を行うことで、invivoでの骨石灰の誘導ができるのかを評価する予定である。もし骨石灰化の誘導が果たせれば、実際の骨を犠牲にしない大腿動静脈を栄養血管とした遊離骨皮弁の挙上が可能となり、ドナーの犠牲を最小限にした血管柄付き骨弁の作成が可能となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
クリーンベンチ故障の修理により遅延が生じたこと、コロナにより薬剤の供給が遅延した時期があることにより研究が遅延している。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度はW9で骨分化したAdSCをラットの鼠径部に移植し、術後さらにW9をAdSCに皮下注を行うことで、invivoでの骨石灰の誘導ができるのかを評価する予定である。もし骨石灰化の誘導が果たせれば、実際の骨を犠牲にしない大腿動静脈を栄養血管とした遊離骨皮弁の挙上が可能となり、ドナーの犠牲を最小限にした血管柄付き骨弁の作成が可能となる。
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Causes of Carryover |
クリーンベンチの故障および新型コロナウイルス蔓延の影響による薬剤供給の遅延などがあり、予定どおりに研究が進まなかったため期間延長を行った。次年度はin vivoによる実験遂行ための薬剤購入及び手術、さらに免疫染色を含めた検体の各種染色などの結果評価のために研究費を使用する予定である。
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