2019 Fiscal Year Annual Research Report
New construction of animal model for keloid and investigation in novel drugs
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18K17010
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Research Institution | Kobe City Medical Center General Hospital(First Clinical Division, Second Clinical Division, Third |
Principal Investigator |
池田 実香 地方独立行政法人神戸市民病院機構神戸市立医療センター中央市民病院(第1診療部、第2診療部、第3診療部, 中央市民病院, 医長 (20464224)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ケロイド / 瘢痕 / ピリフェニドン |
Outline of Annual Research Achievements |
ケロイドは、線維芽細胞様細胞の増殖とcollagen・GAGの蓄積が報告されている。その中でもcollagenの過剰蓄積が特徴的で、このcollagen合成に必須の分子であるHSP47の発現上昇や蓄積が報告されている。肺の線維性疾患である特発性肺線維症は、原因は明らかではないが、内因性・外因性の刺激により障害された肺胞に、線維芽細胞の増殖と細胞外マトリックスの増生による過度な線維化病変が形成される難治で進行性の疾患である。2008年にピリフェニドンが治療薬として認可され、肺機能の改善が見られている。In vitroにおいてもTGF-β存在下でピリフェニドン投与によりHSP47とtype1 collagenの発現抑制が報告されている。 ケロイドはヒト特有の疾患で、確立したモデル動物がないため病態解明や新規薬剤の開発が遅れているが、申請者がこれまでの研究で確立したケロイド移植動物に投与することで、ケロイドの新規薬剤としてのピリフェニドンの有効性を検証した。 まずピリフェニドンの分子量が185と小さく、ケロイドのような表在性疾患においては、経皮吸収が有用であると考え、モデル動物の移植部位に軟膏を0%・5%・10%・50%に精製し塗布。抗HSP47抗体による免疫組織学的染色にて薬剤投与濃度による染色の変化を検証。薬剤塗布後4週では差は見られなかったが、8週にて濃度依存性に染色性の上昇がみられた。そこで、0% ・5%の注射剤を作成し移植ケロイド組織に注入し、8週12週でサンプリングし、HSP47・type1 collage・type3 collagenについての遺伝子発現を検証したところ、組織間で発現にばらつきがあり、濃度依存性の有為な相違はみられなかった。以上により、本研究モデルにおいては、ピリフェニドンのケロイドへの治療効果を示唆する所見は見られなかった。
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