2020 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the mechanism of cell death of adipocytes induced by osteocalcin
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18K17021
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
大谷 崇仁 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 講師 (80759738)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | オステオカルシン / 脂肪細胞 / 細胞死 / 脂質代謝 / 細胞接着 / エピゲノム |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度は高濃度GluOCの3T3-L1脂肪細胞の接着および細胞外基質の合成に及ぼす影響について解析を行った。前年度において、高濃度GluOCは脂肪細胞の細胞膜上にACAM(adipocyte adhesion molecule)とよばれる脂肪細胞特異的な細胞間接着タンパクの発現を亢進させたことを踏まえて、令和2年度はACAMが実際に3T3-L1脂肪細胞の肥大化に関与していることおよびGluOC誘導性のACAMの発現亢進がKLF4(Kruppel-like factor 4)とよばれる転写因子によって調節されていることをsiRNAをもちいたノックダウン実験で明らかにした。さらに、GluOCのその他接着タンパクの発現および細胞外基質タンパクの合成に対する影響についても解析を行い、GluOCは脂肪細胞にインテグリンよばれる細胞と細胞外基質をつなぐ受容体の発現を亢進させることを明らかにし、GluOCがインテグリンを介して脂肪細胞内の細胞骨格に影響を及ぼしている可能性が示唆された。 最後に平成30年度から令和2年度の3年間を通して得た研究の成果についてまとめる。この3年間で申請者は、GluOCの3T3-L1脂肪細胞に対する影響を解析し、大きく2つの点を明らかにした。1つ目は、20 ng/ml以上のGluOCを脂肪細胞に作用させると脂肪細胞にネクロトーシスと呼ばれる細胞死が誘導され、脂肪細胞の数が全体の約3割減少するということとこの細胞死が誘導されるまでのシグナル伝達経路の解明である。そして、2つ目はGluOCによって脂肪細胞は細胞周囲の環境へも影響を及ぼし、脂肪細胞の肥大化を抑制するという点である。以上の2点から、GluOCは脂肪細胞を代謝的に活性化するだけでなく、その細胞数や細胞周囲の環境を調節し、自身の肥大化を抑制する可能性が示唆され、今後の研究の新たな方向性を示すことができた。
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Research Products
(3 results)