2019 Fiscal Year Research-status Report
口腔癌代謝リプログラミングを反映した新規PETバイオマーカーの探索
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18K17023
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
金 舞 群馬大学, 医学部附属病院, 助教 (90625584)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 口腔癌 / PET / イメージングバイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
がん診療における術前画像は、原発巣の広がりや所属リンパ節転移、遠隔転移を評価し、治療方針を決定するのに重要な検査の1つである。重複癌の検索や遠隔臓器への評価としてFDG-PETの機能代謝画像検査も用いられる。 口腔癌における標準治療は手術療法であるが、切除不能症例や再発・転移症例などの治療は近年進歩を続けている。その理由として、放射線化学療法レジュメの発展、分子標的薬の適応などが挙げられる。上皮成長因子受容体(EGFR)に対し、口腔癌においてはセツキシマブ(アービタックス)が2012年12月に承認された。また、プラチナ抵抗性の症例に対してはヒトPD-1モノクロナール抗体(オプジーボ)なども臨床において使用されている。悪性腫瘍においてはこれまでに遺伝子変異、多型やトランスポーターの発現と腫瘍発生や進展と関連について報告されている。口腔癌においても、TP53やCDKN2A,PIK3CA,EGFRのamplificationやRAS-RAF signaling pathwayの遺伝子変異が報告されており、化学療法や分子標的薬に対する治療抵抗性について調査されている。 本研究では、口腔扁平上皮癌における画像診断学的解析手法(Texture analysis: TA)と生物学的分野の次世代シークエンサー等によるOmics解析(腫瘍の遺伝子型、表現型)を用いて、抗腫瘍効果や治療効果予測との関連性について調査する。口腔癌のTexture画像と腫瘍全体の遺伝子解読や治療効果予測、予後予測をと遺伝子変異との関連が明らかになることで、患者への非侵襲的な情報提供を可能としながら、がん治療開始前にその治療精度の向上や評価に有意義である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
撮像した画像より特微量を抽出し網羅的な高次元の解析(Texture analysis:画像の濃度分布や輝度、コントラスト)の有用性がについても統計学的な有意差が認められている。この画像情報の結果をもとに、分子生物学分野の情報(ゲノム、細胞内タンパクや代謝)を上乗せした、Radiomicsの概念について、口腔癌においてもさらなる調査を進めて代謝リプログラミングについて明らかにしたいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
Texture解析にて、予後や抗腫瘍効果と特に関連のあった症例について、必要に応じで遺伝子解析を予定している。生検標本、手術標本、末梢血、もしくはホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)からDNA,RNA,代謝産物などを抽出し、腫瘍細胞由来のDNAを鋳型に次世代シークエンサーを用いた解析(エクソームシーケンス解析、網羅的トランスクリプトーム発現解析、標的遺伝子変異解析、標的遺伝子発現解析、網羅的DNAメチル化解析)を利用して腫瘍細胞系の体細胞変異、コピー数以上、DNAメチル化異常について;TP53,CDKN2A,PIK3CA,EGFRのamplificationやRAS-RAF signaling pathwayの遺伝子変異)を予定している。タンパク質解析を行う場合は、質量分析計によるプロテオーム解析やウエスタンブロッティング、免疫染色における発現解析を予定している。
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