2021 Fiscal Year Research-status Report
口腔癌を誘発する歯周病原菌の同定とその発癌への影響解析
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18K17031
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
中島 慎太郎 日本歯科大学, 生命歯学部, 助教 (40817095)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 歯周病原菌 / 口腔癌 / 細菌叢解析 / 次世代シーケンサー |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、前年度に引き続き実験結果の解析を行い、下記①から⑤の知見を得た。 ① 臨床データの統計解析から、疾病群(前癌病変患者群、口腔癌患者群)では対照群と比較して、歯周病が進行している。② Polymerase chain reactionによる歯周病原菌検出結果の解析から、口腔癌患者群では他の2群と比較して、Porphyromonas gingivalis(P. gingivalis)、Aggregatibacter actinomycetemcomitans、Treponema denticolaを有する患者の割合が高い。③ 細菌叢解析における各群のα、β多様性の比較から、3群間で口腔内細菌叢を構成する菌種数に差はないが、それぞれの細菌叢を構成する菌種とそれらの存在率が異なる。④ 各2群間における口腔内細菌の相対存在比率の解析から、疾病群では対照群と比較して、Prevotella intermedia、Filifactor alocis(F. alocis)、Parvimonas属菌の存在比率が高く、Veillonella属菌、Oribacterium属菌の存在比率が低い。⑤ 臨床データと各菌種の存在比率の関係性の解析から、口腔癌患者群では、歯周病の重症度に関わらず、P. gingivalisとF. alocisの存在比率が高い。 これらの知見から、特定の口腔内細菌の存在とその存在比率の偏りが、口腔前癌病変および口腔癌の誘因である可能性が考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験結果の解析と論文執筆を行う中で、前年度に行ったマウス腫瘍形成実験の結果について再解析を行う必要性が生じたため。現在、再解析を行いつつ、投稿論文の執筆・修正を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
1. これまでに得られた結果と考察をまとめ、論文を投稿する。 2. 口腔粘膜疾患の発症・進行への関与が示唆された菌種が口腔粘膜細胞に及ぼす影響とそのメカニズムを、in vitroの側面から詳細に検討する。 3. 複数の菌種が宿主細胞や組織に及ぼす影響に関しては、in vitroでの解析が困難と考えられるため、プロテオーム・メタボローム解析を用いて、網羅的なシグナル経路および代謝経路の変化を捉える。得られた結果から、口腔粘膜の変性に影響を及ぼすリスクが高いと考えられる細菌叢を推察する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、2021年度に論文の英文校正料および投稿料として使用する予定だった費用を用いなかったためである。2022年度中に、論文の英文 校正、投稿のための費用として使用する予定である。
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Research Products
(1 results)