2020 Fiscal Year Annual Research Report
Research on triglyceride decrease effects of salivary grands BDNF
Project/Area Number |
18K17035
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
清水 智子 神奈川歯科大学, 大学院歯学研究科, 助教 (80782854)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 唾液腺BDNF / GAD1 / GABA / 下垂体 / 成長ホルモン / IGF-1 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らの研究グループでは、唾液腺に脳由来神経栄養因子BDNFの過剰発現するトランスジェニックマウス(Tgマウス)を作出し、このマウスが血中BDNF濃度の増加を示し、抗不安作用の行動変容を起こすことを見出し論文として公表してきた。その研究過程で、このTgマウスは網羅的メタボローム解析で下垂体に代謝の変動が大きいことが判明し、そのメカニズムと生物学的意義を検討したのが本申請研究である。これまでの検討で、下垂体にはBDNFレセプターTrkbが存在し、そのリン酸化が亢進していた。また、網羅的メタボローム解析において、GABAの産生が増加し、そのメカニズムとして、グルタミン酸でカルボキシラーゼGAD1の発現が亢進していた。これはTrkbからのシグナルと考えられた。また、下垂体においてGABAの産生増加は、過去の研究から成長ホルモンGHの産生増加があると報告されており、Tgマウスの血中濃度をELISAで計測したところ、コントロール群と比較して有意にGHの増加を認めた。GHはトリグリセリドの分解に関与するホルモンであり、血中BDNFの増加がトリグリセリドの代謝に与える影響を検討した。まず離乳直後のラットに高脂肪食を持続的に摂食させて高グリセリド血症モデルを作製し、唾液腺BDNF発現をreal‐timePCRとELISAにて計測した。高脂肪食によって誘発された高グリセリド血症は、ラット顎下腺組織のBDNFmRNAおよびタンパク質レベルの増加と唾液中BDNFタンパク質の増加を誘発することを確認している。その意義は、トリグリセリドの代謝の促進というnegativeフィードバック機構が作用していることが考えられる。今後、BDNFノックアウトマウスに高脂肪食を摂食させてコントロール群と比較検討を行い、中性脂肪の変動を検討する。
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