2019 Fiscal Year Annual Research Report
analysis of autoimmune disease caused by aging and sex hormones in a mouse model of sjogrens syndrome
Project/Area Number |
18K17037
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Research Institution | National Center for Geriatrics and Gerontology |
Principal Investigator |
黒澤 実愛 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 口腔疾患研究部, 研究員 (70815802)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | シェーグレン症候群 / 細胞老化 / 免疫老化 |
Outline of Annual Research Achievements |
シェーグレン症候群(SS)は閉経期以降の女性に多発し、涙腺や唾液腺を標的として、ドライアイやドライマウスを主症状とする自己免疫疾患である。加齢に伴い細胞老化や免疫老化が起こり、女性ホルモンであるエストロゲンは減少することが知られているが、それらの現象がSS発症に関与するかは不明である。よって、本研究課題は加齢及びエストロゲン欠乏に伴う唾液腺における免疫細胞浸潤の機序を解明することを目的とする。免疫老化として老化関連T (SA-T)細胞が増加し、SA-T細胞はサイトカインやケモカインなどを産生する事から慢性炎症に関与することが報告されている。老齢マウスの唾液腺には免疫細胞が浸潤しており、CD4陽性T細胞におけるSA-T細胞の割合と細胞数が多く、オスよりもメスの老齢マウスでSA-T細胞が多いことが分かった。 メスの老齢マウスにおいて唾液腺上皮細胞では老化マーカーであるp16発現及びケモカインの一つであるCXCL13発現が上昇していた。しかし、エストロゲンによるCXCL13発現抑制は見られない事から、老齢マウスの唾液腺上皮細胞におけるCXCL13発現は細胞老化によって亢進している可能性が示唆された。CXCL13の受容体であるCXCR5はSA-T細胞で発現しており、SA-T細胞を含むCD4陽性メモリーT細胞においては若齢マウスより老齢マウスでCXCR5発現が亢進し、CXCL13に対する遊走能が亢進していた。SA-T細胞は炎症性物質として機能するオステオポンチンを産生することから、唾液腺上皮細胞におけるオステオポンチン受容体の発現を検討すると、若齢マウスと老齢マウスでは差は見られなかった。以上の結果から、老齢マウスの唾液腺上皮細胞では細胞老化によってCXCL13発現を亢進し、CXCR5を発現したSA-T細胞が唾液腺に集積することで、慢性炎症と口腔乾燥症を惹起している可能性が示唆された。
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Research Products
(4 results)