2020 Fiscal Year Annual Research Report
冷痛覚過敏の治療ターゲットとして展開する炎症時TRPA1チャネルの動態解析
Project/Area Number |
18K17039
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
田澤 建人 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (30801518)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | TRPA1 / 歯髄細胞 / LPS / NO / P38 / 石灰化 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.歯髄細胞におけるTRPA1の生理機能解析および発現誘導メカニズムの解析 LPS刺激後48時間後においてTRPA1発現が増加するメカニズムを解析した。LPSにより誘導されるTRPA1発現は、NFkB阻害剤によって抑制されず、NFkB経路非依存的であることが示唆された。一方、一酸化窒素ドナーであるNOR5刺激によりTRPA1発現が増加したことから、LPS刺激により誘導された一酸化窒素がTRPA1発現誘導に関与することを見出した。一酸化窒素の下流シグナルについて解析を行ったところ、一酸化窒素刺激によりp38MAPKシグナルが活性化することを明らかにした。p38MAPK阻害薬であるSB203580を添加後LPS刺激を行ったところ、LPS刺激により誘導されるTRPA1発現は抑制された。以上により、LPS刺激により誘導されるTRPA1発現には一酸化窒素により活性化されるp38MAPKが関与していることが示唆された。TRPA1機能解析においては、TRPA1作動薬によりTRPA1活性化に伴い細胞内カルシウムイオン濃度が上昇することを確認し、TRPA1は機能的にも歯髄細胞に発現していることを明らかにした。またTRPA1作動薬により、象牙芽細胞関連遺伝子の発現上昇および石灰化結節形成の促進を認めたことから、歯髄細胞においてはTRPA1の活性化はは象牙芽細胞への分化および石灰化を亢進することが示唆された。以上の結果はThe American Journal of Pathologyに掲載された。
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