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2018 Fiscal Year Research-status Report

リソソームにおけるコレステロール代謝とHMGB1分泌を関連づける新機構

Research Project

Project/Area Number 18K17041
Research InstitutionTokyo Medical and Dental University

Principal Investigator

大出 貴資  東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 非常勤講師 (30804190)

Project Period (FY) 2018-04-01 – 2020-03-31
Keywordsリソソーム / HMGB1 / オートファジー
Outline of Annual Research Achievements

炎症性メディエーターであるHMGB1は、細菌感染や障害を受けた細胞から放出される。口腔内領域では、歯周病患者の歯肉溝浸出液中に高濃度のHMGB1の存在が知られている。HMGB1放出にはオートファジーの分子装置が関与する。一方、細胞内での分解処理を担当する細胞内小器官 (オルガネラ)であるリソソームが、コレステロール輸送に中心的な役割を果たし、さらにオートファジーを制御することが近年明らかになってきた。リソソームが「コレステロール代謝」と「オートファジー制御」のどちらにも関与することから「コレステロール代謝」と「HMGB1放出」に直接的な関連があるのではないかと考え、その検証をおこなうこととした。
マウスマクロファージ(RAW264細胞)をコレステロール輸送阻害剤(イトラコナゾールまたはU18666A)、あるいはLPSで刺激し、コレステロール結合色素(フィリピン)を用いた細胞染色によりコレステロールのリソソームへの蓄積を確認した。また阻害剤の処理時間・処理濃度の条件検討をおこなった。次に、コレステロール阻害剤刺激によるHMGB1分泌量の測定を抗HMGB1 抗体を用いた ELISA キットを用いて測定した。イトラコナゾール、U18666A、LPSの全てでHMGB1分泌が確認でき、刺激濃度を上げるとHMGB1分泌量も増加した。HMGB1分泌量が最も多かったのはイトラコナゾールであった。以上から、コレステロール輸送阻害剤のHMGB1分泌の影響を明らかにすることができた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初の予定通り、平成30年度にコレステロール輸送阻害剤によるコレステロールの蓄積と、コレステロール輸送阻害剤によるHMGB1分泌の影響を示すことができた。次年度にコレステロール輸送阻害剤による mTORC1 活性・mTOR 細胞内局在への影響とリソソームとの膜接触の寄与の評価をするための体制が整ったことを踏まえて、概ね順調に進展していると判断した。

Strategy for Future Research Activity

まず、コレステロール輸送阻害剤による mTORC1 活性・mTOR 細胞内局在への影響を評価する。またmTOR およびその足場となる Ragulator の構成要素 LAMTOR1 の細胞内局在は共焦点レーザー顕微鏡により観察する。mTOR 細胞内局在がリソソームから変化した場合にはどのオルガネラに移行したかを調べる。リソソーム、小胞体、ミトコンドリア、ゴルジ体、ペルオキシソームのマーカーとなる特異抗体を用いて mTOR または LAMTOR1 との共染色をおこなう。
さらに、リソソームとの膜接触の寄与の評価をするために、リソソームとの膜接触に関わる因子の siRNA による発現抑制をおこなった場合のコレステロール 輸送阻害剤による HMGB1 release への影響を調べる。

Causes of Carryover

2018年度の実験に必要であった抗体や機材の一部は2019年度に購入する予定である。

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Published: 2019-12-27  

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