2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a dental cement for root surface restoration with the ability of on-demand release and re-uptake of an antimicrobial component
Project/Area Number |
18K17044
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
北川 晴朗 大阪大学, 歯学研究科, 助教 (50736246)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 抗菌性 / イオン徐放 / バイオアクティブガラス / 根面う蝕 / 歯学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、平成30年度に得られた成果に基づいて、亜鉛含有ガラス粒子を配合した試作グラスアイオノマーセメントの圧縮強さ、抗菌性、および亜鉛イオンリチャージ特性を評価するとともに、バイオフィルム形成抑制効果を検討した。 まず、直径4 mm、高さ6 mmの円柱状硬化試料を作製し、試作セメントの圧縮強さを測定したところ、ISOに定められたグラスアイオノマーセメントの規格に適合することが分かった。つづいて、直径9 mm、厚さ2 mmの円盤状硬化試料を作製し、Streptococcus mutans、Streptococcus sobrinus、Streptococcus sanguinis、Streptococcus oralis、Streptococcus mitis、Actinomyces naeslundii、Fusobacterium nucleatumの各菌液に浸漬し、24時間培養後の生菌数測定を行った。その結果、試作セメント存在下で各菌液を培養すると、亜鉛含有ガラス粒子非添加のコントロールセメントに比べて、いずれの細菌種においても生菌数が有意に低下することが確認された。 また、試作セメントの亜鉛イオンリチャージ特性を検討するため、0.1 (wt)%の塩化亜鉛水溶液に5分間浸漬した硬化試料からの亜鉛イオン溶出性を評価したところ、亜鉛イオンをリチャージすることで試作セメントからの亜鉛イオン溶出濃度が増加することが確認された。 最後に、ヒト唾液から採取した細菌懸濁液を硬化試料上に24時間滴下しながら培養し、試料上に形成されたバイオフィルムの性状を評価したところ、試作セメント上に形成されたバイオフィルム中の細菌数および厚みがコントロールセメントと比べて有意に低下した。すなわち、亜鉛含有ガラスを配合した試作セメントは、バイオフィルム形成を抑制する効果を発揮することが明らかとなった。
|
Research Products
(4 results)