2018 Fiscal Year Research-status Report
間葉系幹細胞の骨芽細胞分化に関与するmicroRNAの機能の解明
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18K17054
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
山田 梓 北海道医療大学, 歯学部, 助教 (30708847)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 間葉系幹細胞 / 骨芽細胞分化 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯周病に対する新規の歯周組織再生治療として、間葉系幹細胞を用いた細胞治療が注目されている。間葉系幹細胞の骨芽細胞分化については様々な転写因子が関与することが知られているが、その分化メカニズムには不明な点も多い。microRNAは遺伝子発現を抑制する効果を持つノンコーディングRNAの一種であり、分化や細胞増殖、アポトーシスなどと深く関与することが示唆されている。しかしその作用は多岐にわたっており、全容は未だ解明されていない。 これまでに間葉系幹細胞の骨芽細胞分化にはWNTシグナルが深く関与することが知られているが、遺伝子発現やタンパク質発現だけでは解明できない骨芽細胞分化を明らかにするためには、転写語翻訳を制御するmiRNAの関連を検討する必要があると考えられる。そこで本研究では、間葉系幹細胞の骨芽細胞分化に関連する新規microRNAを探索しその作用を検討することにより、骨芽細胞分化メカニズムの解明を目指している。 現在までに、採取した細胞が間葉系幹細胞様の性質を示すこと、また骨芽細胞分化誘導培地にて骨芽細胞に分化可能であることを確認した。骨芽細胞分化誘導有りまたは無しにおいて4, 7, 14日間細胞培養を行った後RNAを抽出し、miRNAマイクロアレイ等により各miRNAの発現レベルを調べプロファイリングを行っている。骨芽細胞分化時に関与する新規miRNAの有無について現在検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在までに間葉系幹細胞の骨芽細胞分化に関与する可能性がある新規miRNAを探索するため網羅的解析や候補miRNAの作用の解明を行なっているが、使用する細胞により結果の差が大きいため候補の選定や機能解析に時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
骨芽細胞分化に関与する可能性があるmiRNAに関し、miRNAが標的とする遺伝子についてデータベースを用いて探索する。また特にWNTシグナルと関連が予測されるmiRNAについてはレポーターベクターシステムを利用しターゲット検証を行う。また、候補となるmiRNAについて機能抑制や過剰発現を行い、骨芽細胞分化に関与する標的遺伝子の発現量の変化やALP活性及びノジュール形成への影響を確認する。
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Causes of Carryover |
購入予定の消耗品に在庫があることが判明したため物品費に余剰が生じた。次年度は必要消耗品の購入、物品の購入、学会等での発表を行うための旅費に使用する予定である。
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