2018 Fiscal Year Research-status Report
歯周病予防のためのプロバイオティクスの構築およびバイオジェニクスへの展開
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18K17057
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
河井 智美 鶴見大学, 歯学部, 学部助手 (70783877)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | プロバイオティクス / バイオジェニクス / 歯周病 |
Outline of Annual Research Achievements |
薬剤ではなく生きた乳酸菌を用いて菌叢を改善することで腸管の健康を図る「プロバイオティクス」は口腔内菌叢のバランスの不均衡を改善する可能性があるだけでなく、耐性菌を誘導しないことから口腔への応用が期待できるが、効果のメカニズムはほとんどわかっていない。さらに生菌を用いるプロバイオティクスだけでなく、死菌体や代謝産物で独自の効果を示す「バイオジェニクス」という新しいコンセプトは、生菌定着における問題点を解決し、歯周病予防に寄与する可能性が期待できる。本研究では乳酸菌の代謝産物による効果が歯周病を予防し、口腔の健康促進に効果を発揮するプロバイオティクスを構築し、そのメカニズムを利用し、代謝産物を用いて、より安定性が図れるバイオジェニクスへ展開させるための基礎研究を目的とした。 プロバイオティクス候補菌株の中で有効な菌株をスクリーニングし、培養上清から得られた有効成分を分画した。また、炎症抑制活性の検出系の作成を行った。 <抗菌活性測定>複数のLactobacillus株をスクリーニングし、歯周病原細菌に対しての有効菌株を検索した。①MRS液体培地にてLactobacillusを24時間培養し、遠心分離を行い培養上清を得た。②96wellに培養上清とPorphyromonas gingivalisを加え48時間培養した。③620nm吸光度測定を行い、抗菌活性の強い分画を特定した。 <抗菌成分の分析>有効性が示された分画の分析を行った。①硫安沈殿を行い培養上清中の抗菌成分を分画した。 <炎症抑制活性の測定>感染細胞モデルを作成し、炎症抑制活性試験の条件検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
有効性が示されたプロバイオティクス菌の産生物である有効成分を高分子物質と低分子物質に分画することができた。また、炎症抑制活性試験については、培養細胞を使用し感染モデルを作成することができた。したがって、おおむね今年度の計画は順調に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
有効成分の分画をさらにすすめ、HPLC,LC-MS,LC-MS/MS,NMRによる構造分析を行う。また、その分画の炎症抑制活性効果を検討する。
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Causes of Carryover |
適正カラムの予備検討に時間を要したため、実際の購入は次年度になってしまった。 次年度は、今年度決定したカラムを購入し、HPLC等の分析を予定している。
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