2019 Fiscal Year Research-status Report
コンポジットレジン修復欠陥の非侵襲的3D動的評価と臨床手法評価および開発への応用
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18K17060
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
林 樹莉 東京医科歯科大学, 歯学部, 非常勤講師 (60803187)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 光干渉断層計 / 転化率 / OCT / バルクフィルコンポジットレジン / 界面ギャップ / 内部亀裂 / 重合収縮 / 接着性レジンセメント |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に開発した、光干渉断層計(OCT)を用いたコンポジットレジン修復界面ギャップ形成のリアルタイム観察及び得られたデータよりソフトウェアAmiraを用いて修復物界面ギャップ形成量の3D定量解析の手法を用い、新規開発された3秒間光照射で硬化可能なバルクフィルコンポジットレジンの内部適合性および内部非破壊性を検討した。重合効率性を示す転化率についてはラマン分光法を用いて測定された。従来の材料および光照射器との比較について、2019年6月のInternational Association of Dental Research (IADR)にて口頭発表を行った。上記の成果を論文とし、Dental Materialsに投稿、現在査読中である。 OCT最大の利点である非破壊的、即時的な組織内部観察から、光重合中の重合収縮によるコンポジットレジン内部の亀裂発生をリアルタイムで観察記録できたことは、本研究における最大の収穫であり、高分子材料開発及び評価における新たな知見をもたらした。 開発された手法を用いた材料学的評価は、修復用コンポジットレジンのみならず、セラミックス間接法修復における接着性レジンセメントと歯質・修復物の界面評価への応用 が可能である。University of Washington School of Dentistryとの共同研究において、 得られたOCT臨床データを上記手法にて解析した結果は、2019年6月開催のIADRにて口頭発表、2020年3月開催予定だったIADR(COVID-19感染拡大により開催中止)にて抄録掲載された。計2年に及ぶOCTを用いた臨床評価は本研究が世界初であり、非破壊的、非放射線暴露的な手法が多くの関心を集めた。現在論文作成中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
3D定量解析の確立により、研究計画に記した重合収縮に起因するコンポジットレジン内部亀裂の発生など、研究計画に記した評価を実現し、論文作成を行うことができた。 また開発した手法を用いてUniversity of Washington School of Dentistryとの共同研究における臨床評価に貢献できたことは、研究計画作成時には想定していない成果であり、本研究課題のさらなる飛躍となった。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に開発した3D的解析手法を活用し、直接法・間接法修復欠陥を、重合収縮起因のみならず熱負荷・咬合圧負荷による影響についても検討し、総合的に評価する予定である。さらに、より臨床に即した評価を目指す。CADCAMレジンクラウンと内部適合性についての結果は、2020年度中の論文投稿を行い、さらなる臨床評価応用の可能性を探る。
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Causes of Carryover |
COVID-19の世界的感染拡大に伴う、共同研究機関University of Washingtonへの訪問研究および2020年3月Washington DC開催IADRの中止により、本年度使用予定だった研究消耗品購入物品費や旅費の余剰金が生じた。来年度以降有意義な使用を行う。
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Research Products
(8 results)