2019 Fiscal Year Annual Research Report
Role of hypoxia-induced collagen in chronic periodontal inflammation
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18K17065
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
森本 千晶 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (70806801)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 低酸素 / 細胞外基質 / 歯周病 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、近年、細胞外基質生成に重要な役割を担うことで注目されているHIF(Hypoxia Inducible Factor)が、歯周組織におけるⅠ型コラーゲンの生合成に与える影響を解析し、それが歯周病の病態形成に如何なる役割を担うのかを解明することを目的に研究を実施した。前年度の研究にて、歯肉線維芽細胞(HGF)および歯根膜細胞(HPDL)において、低酸素下での培養がコラーゲンの遺伝子発現に影響を及ばさず、HIF-1alpha依存性に水酸化酵素(P4HA1、PLOD2)の発現を上昇させることによりコラーゲン産生を促進することが示唆された。そこで、本年度では、低酸素下での培養にて発現が上昇した上記酵素のsiRNAをReverse transfection法によりHGFに導入し、低酸素下で培養した際の、コラーゲンの発現について解析した。その結果、HGFにおいては、低酸素下で、HIF-1alpha依存性にプロコラーゲン合成水酸化酵素の産生が誘導され、特にP4HA1の発現亢進によりコラーゲンの産生が亢進することが明らかとなった。また、HIF-1alpha依存性PLOD2発現亢進により、コラーゲン線維の架橋構造が増加していることが示唆された。このことから、歯周組織における低酸素誘導性のコラーゲンは、P4HA1によってその量が、PLOD2によってその質が制御されていることが示唆された。 In vivoにおいて、マウス歯牙結紮歯周病モデルをC57BL/6マウスに施し、歯周病の病態形成における低酸素部位同定の検討を行ったが、手技的な問題から低酸素部位の同定に至らなかった。そのため、今後、さらに手法等を見直すとともに、上記水酸化酵素のノックアウトマウス等を用いた解析により、今回得られた成果をin vivoで検証する必要があると考えられる。
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Research Products
(6 results)