2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of innovative highly performance dental cement for root carues
| Project/Area Number |
18K17068
|
|---|
| Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
|---|
Principal Investigator |
吉原 久美子 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (90631581)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
|
| Keywords | グラスアイオノマーセメント / 根面う蝕 / ポリマー / 接着強さ |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
近年根面う蝕を持つ高齢者が増加している。防湿が難しい症例などコンポジットレジン修復が難しい症例ではグラスアイオノマーセメントが修復に用いられている。グラスアイオノマーセメントはフッ素徐放性などの利点がある一方、機械的強度、歯質接着性は大きくなくまだ改善の余地がある。
本研究では，新規高機能ポリマーの合成として，ポリビニルアルコールなどのポリマーにリン酸基，ホスホン酸基，カルボン酸基の置換量を変化させ付与したポリマーを合成し，そのポリマーの化学的・機械的性質を解析した。さらに，合成した新規ポリマーをグラスアイオノマーセメントの液に添加し，機械的性質，歯質接着性を検討し、現在のグラスアイオノマーセメントよりも優れた強度を持つことができないかを検討した。
その結果種々の分子量、構造の異なるポリマーにいくつかのリン酸基などを付与することにより、従来のグラスアイオノマーセメントよりも歯質接着性が大きく向上した。とくにリン酸基と歯質カルシウムの結合が強いことがわかった。さらに、合成したポリマーの添加量を最適化することにより従来のグラスアイオノマーセメントよりも機械的性質も向上させることができた。本研究により、グラスアイオノマーセメントのポリマー成分の改良によって，機械的特性，歯質接着性を向上させることができることが示唆された。本材料は、特に歯頚部など咬合圧の集中する部位などでの修復材料として使用できる可能性があると考えている。
|
