2019 Fiscal Year Annual Research Report
The development of novel osteoporosis drug for the super aging society -Application of low molecular compound, terrein-
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18K17069
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
中川 沙紀 岡山大学, 歯学部, 客員研究員 (60814522)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | テレイン / 骨粗鬆症 / 破骨細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,申請者が研究している真菌由来低分子化合物テレインの破骨細胞分化抑制能に着目し,薬剤関連性顎骨壊死(medicine-related osteonecrosis of the jaw: MRONJ)を起こすビスフォスフォネート(BP)製剤にかわる新たな骨粗鬆症治療薬としての可能性を検討することである。 超高齢社会の日本において,健康寿命の維持には骨粗鬆症等に起因する病的骨折を防止することが重要である。そのため,近年,ゾレドロン酸等のBP製剤の処方数が激増している。しかし,BP製剤の重大な副作用として抜歯後の顎骨炎症に伴うMRONJの発症がある。8020運動達成率が50%を超えた現代において,歯周病や歯内疾患を罹患する歯が口腔内に残存する高齢者数が激増しているにも関わらず,MRONJの発症機序は未だ解明されておらず,代替薬も開発されていない。そこで本研究では,これまで申請者が研究してきた低分子化合物テレインの破骨細胞分化抑制能を活用し,骨粗鬆症治療におけるBP製剤の代替薬としての可能性を検討する。 本年度は,低分子化合物テレインがRANKL誘導性破骨細胞分化を抑制するメカニズムの一端を解明し、報告した。具体的には,テレインはRANKLおよびTNF-alpha誘導性の破骨細胞分化を抑制する。そのメカニズムの一端として、テレインは主要分化因子であるNFATc1の発現を有意に抑制する。しかし、従来報告されているNFkaapaB経路およびMAPKs経路には作用せずに、別の経路を介して分化抑制作用を発揮する可能性が示された。以上の結果から、既存薬であるBP製剤とは異なる機序で骨破壊を抑制できる可能性あり、新たな骨粗鬆症治療薬の一つとして応用できる可能性が示唆された。
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