2018 Fiscal Year Research-status Report
外傷性咬合による骨吸収への静止期破骨細胞前駆細胞の関与と血管内皮増殖因子の影響
Project/Area Number |
18K17072
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
山下 恭徳 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 助教 (10782568)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 咬合性外傷 / 破骨細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本実験はマウス上顎臼歯を過高な状態にし、下顎臼歯に咬合性外傷を付与する系を用いる。マウス大腿骨ならびに脛骨より採取した単球―マクロファージ系の細胞(BMM)は破骨細胞の前駆細胞と考えられており、BMMにマクロファージコロニー刺激因子であるM-CSFの存在下で、破骨細胞形成に必要な破骨細胞分化誘導因子であるRANKL刺激を与えると72時間後に破骨細胞が形成される。しかしながら、咬合性外傷による破骨細胞の出現はそれよりも24時間早く確認できた。この24時間も早期に破骨細胞が出現する機序の一端を解明するために、本研究をおこなっている。本年の研究は平成31年度に発表できるように行った。 具体的には、上顎左側第一臼歯咬合面にステンレスワイヤーを接着性レジンにて装着する上記の系において、0,1,2,3,4,5日目に屠殺を行う。脱灰、AMeX法による固定後、薄切を行った。その際、事前にBrdUを投与しているので、その検出を行うために蛍光免疫染色を行った。また、下顎左側第一臼歯を摘出して根分岐部が観察できるように組織切片を作製して、H.E.染色ならびに破骨細胞のマーカーの一つである酒石酸耐性酸ホスファターゼ(TRAP)染色を行い、破骨細胞出現状態を病理組織学的に確認した。得られた結果としては、0日目と比較して、1日目には歯根膜に硝子様変性がおこり、2日目に破骨細胞が分岐部直下の根間中隔に出現していることが確認できた。 さらに、BMMに対して各種サイトカインの影響を受けた際の破骨細胞形成の状態を学会発表を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験計画通りに進捗している。
|
Strategy for Future Research Activity |
中間報告として学会報告を今年度中に行うべく、まとめている段階である。
|
Causes of Carryover |
実験計画通り使用したが、次年度使用額として8411円を計上してしまった。 組織染色に必要な試薬の購入に充てる予定である。
|