2018 Fiscal Year Annual Research Report
侵襲性歯周炎原因細菌の病原因子による骨吸収機構の解明
Project/Area Number |
18K17079
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
高橋 晋平 松本歯科大学, 歯学部, 助手 (20805014)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 侵襲性歯周炎 / ロイコトキシン / 破骨細胞 / LFA-1 |
Outline of Annual Research Achievements |
侵襲性歯周炎 (AgP) は若年者に発症を認め, 急速な歯槽骨吸収を特徴とする炎症性疾患である. AgPの原因菌はAggregatibacter actinomycetemcomitans (Aa) であると考えられているものの, 本菌がAgPの病態に与える影響は未だ不明な点が多い. 本研究では, Aaが産生する白血球毒素であるロイコトキシン (LtxA) がヒト破骨細胞の機能に対して与える影響を明らかにすることを目的に研究を実施した. ヒト末梢血由来の単球・リンパ球を用いて, ヒト破骨細胞へと分化させ, そこに種々の濃度に調整したLtxAを添加した. その結果, LtxAはヒト破骨細胞に対して濃度依存的に細胞毒性を発揮することが明らかとなった. LtxAは白血球の膜上に発現したLFA-1に結合することで細胞毒性を発揮すると考えられている. そこで, LFA-1の発現を認めない細胞に対してヒトLFA-1をトランスフェクションし, さらにLtxAの添加により細胞増殖活性に与える影響をAlamar Blue assayを用いて検討した. その結果, LFA-1を発現させた群ではLtxAの添加により細胞の増殖活性が有意に低下していたことから, LtxAがLFA-1を介してヒト破骨細胞に対して細胞毒性を発揮している可能性が示唆された. さらに, FACSを用いてヒト単球・リンパ球膜上のLFA-1の発現を検討した結果, 細胞膜上におけるLFA-1の高レベルの発現が認められた. 以上の結果から, ヒト破骨細胞は, LtxAによって濃度依存的な細胞死を引き起こされることが明らかとなった.
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