2019 Fiscal Year Annual Research Report
Clarification of osteoblast differentiation promotion mechanism by polycomb group protein Bmi1 and alveolar bone regeneration
Project/Area Number |
18K17090
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
建部 廣明 北海道医療大学, 歯学部, 助教 (40638293)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | Bmi1 / 骨芽細胞分化 / 実験動物 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究で注目したポリコーム群タンパクBmi1は、幹細胞マーカーの一つとして、多くの分化関連遺伝子の発現を調節していることが知られている。しかし、Bmi1が調節する下流因子や骨形成促進メカニズムは未だ不明である。これまでに本研究者は、骨組織において、Bmi1が骨芽細胞で発現し、株化骨芽細胞(MC3T3-E1細胞)における強制発現で石灰化が亢進することを予備実験的に見いだしている。そこで、本研究では、Bmi1の骨芽細胞分化過程との関係性を明らかにするため、実験動物の脛骨発生過程および、脛骨骨折修復過程におけるBmi1の陽性局在を検索した。 ラット脛骨発生時におけるBmi1の局在の検索で、胎生14日では、将来脛骨が形成される部位に間葉細胞の凝集を認め、その内部および、周囲の細胞で散在性にBmi1の陽性反応がみられた。骨膜中の細胞もBmi1陽性を示したが、骨芽細胞細胞分化マーカーの免疫反応は認められなかった。胎生20日では厚い骨基質が形成され、骨芽細胞ならびに前骨芽細胞でBmi1の局在が認められた。脛骨形成初期からBmi1陽性反応がみられ、脛骨が成熟するにつれて、陽性局在範囲の減少を認めたことから、Bmi1は軟骨内骨化初期の骨芽細胞分化過程に関連している可能性があることが示唆された。 一方、ラット肋骨骨折後4日では骨折部に軟骨形成がみられた。骨折後11日では、骨折部に形成された軟骨が吸収し、新生骨形成がみられた。骨折後4日のBmi1陽性反応は骨折部に形成された軟骨周囲にみられた。骨折後11日の軟骨吸収部におけるBmi1陽性局在範囲は骨芽細胞細胞分化マーカーの陽性局在と同じ範囲にみられた。これらの所見では、Bmi1が骨発生過程だけでなく骨折の治癒過程にも関係していることが示唆される。本研究成果は、第61回歯科基礎医学会学術大会(2019、東京)にて発表した。
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