2020 Fiscal Year Research-status Report
重度歯周病治療のための線維芽細胞増殖因子担持担体の歯周組織再生のメカニズム解明
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18K17092
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
小林 信博 大阪歯科大学, 歯学部, 助教 (90803338)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | エダコモンサンゴ |
Outline of Annual Research Achievements |
線維芽細胞増殖因子Basic fibroblast growth factor (bFGF)は血管新生作用を有し、新生血管に富んだ良性肉芽を形成するため、創傷治癒を促進させると同時に歯周組織再生を促進する効果がある。申請者は、リン酸三カルシウム(TCP)多孔質体に化学的にbFGFを結合させた(bFGFTCP多孔質体)薬物担持担体を、イヌ下顎骨骨欠損モデルに移植したところ早期に骨再生が促進されたことを報告した。 さらに、最近、歯根膜細胞や新生セメント質の再生にも有効であることがわかってきた。本申請ではbFGFTCP多孔質体のリモデリングと歯槽骨を含む歯周組織の再生のメカニズムをin vitro及び小動物を用いて分子生物学的および病理組織学的に解明することである。 陸上で完全人工養殖され、環境破壊やサンゴヘの汚染なく、品質も安定しているエダコモンサンゴを足場材料に用いた。サンゴ顆粒のヘパリン修飾した試料をXPSで表面分析を行い、ペプチド・ヘパリンがそれぞれ修飾されている事を確認した。また、大きな垂直性骨欠損を形成するためのスペースを確保する目的でビーグル犬1壁性骨欠損モデルを作製し、埋入を行った。本年6月には屠殺し、X線学的評価を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
サンゴ顆粒のヘパリン修飾に成功し、動物モデルも作製できたから。
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Strategy for Future Research Activity |
サンゴ顆粒のヘパリン修飾し、FGFを顆粒状に保持する。さらにビーグル犬1壁性骨欠損モデルを作製し、埋入し、X線学的、病理組織学的評価を行う予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響でビーグル犬を用いた実験に後れが生じたため。使用計画としてはビーグル犬を用いた下顎骨一壁性モデルを用い、サンゴ顆粒を移植する。また、試作インプラントを作成し、サンゴ顆粒との界面適合性も調査したい。
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