2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
18K17103
|
Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
高野 智史 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (40615382)
|
Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | チタン / チタン合金 / インプラント / 疲労強度 |
Outline of Annual Research Achievements |
純チタンおよびチタン合金の疲労特性は、これらをインプラント材料として臨床応用していくうえで考慮すべき重要なファクターであり、近年では臨床を想定した繰り返し荷重を用いた耐久性試験が行われている。2003年にはISOによって試験基準も定められた。しかし、現在のところこの試験基準を用いた疲労強度試験の報告は少ない。そこで本研究の目的は、インプラント材料に対する疲労試験の基準であるISO14801に則り、インプラント材料として用いられているチタン合金(Ti-6Al-4V合金、Ti-6Al-7Nb合金、Ti-Zr合金)の疲労強度と、それに与える表面処理の影響を明らかにすることである。 2018年度はチタン合金(Ti-6Al-4V,Ti-6Al-7Nb,Ti-Zr)の静的荷重試験における降伏荷重(静的降伏荷重)およびISO14801に準じた繰り返し荷重試験(疲労試験)を行い降伏荷重(疲労降伏荷重)を計測し、疲労特性を明らかにすることとした。 Ti-6Al-4VおよびTi-6Al-7Nbの静的荷重における降伏荷重はそれぞれ1462±99N,1405±78Nでいずれも純チタンより大きな値であったが、Ti-6Al-4VとTi-6Al-7Nbとの間に統計学的に有意差は認められなかった。 繰り返し荷重における降伏荷重ではTi-6Al-4Vが870±58N、Ti-6Al-7Nbが852±202Nであった。YSからYCの減少率をみると、いずれのチタン合金も40%程度減少した。 以上の結果より、Ti-6Al-4VおよびTi-6Al-7Nbの繰り返し荷重における降伏荷重は静的荷重時よりも40%程度減少するものの800N以上を示すことが明らかとなった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2018年度の目標は純チタン及びチタン合金の疲労耐久性についての結果を得ることであり、ほぼ達成できたと考えられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
2018年度の実験計画は予定通り達成できたため、2019年度は静的荷重試験および疲労試験を行った試料に対して、検鏡試験およびナノインデンテーションを行い、形態および物性の変化を測定し、疲労特性との相関について考察する。
|
Causes of Carryover |
当初、2019年度に予定していた国際学会の発表を2018年度に行うことになり、前倒し支払い請求を行ったが、予想より旅費がかからなかった。
国内学会に参加するため、学会旅費として使用する予定である。
|
Research Products
(1 results)