2019 Fiscal Year Research-status Report
全体表面酸化ナノ改質による先制医療志向型インプラント周囲炎予防戦略の創製
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18K17106
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
山脇 勲 大阪歯科大学, 歯学部, 助教 (70805176)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 糖尿病 / インプラント |
Outline of Annual Research Achievements |
インプラント補綴は欠損歯に対する治療の一つであり,近年では様々なインプラントフィクスチャー表面改質が初期固定を増大させるために開発されているが,その一方インプラント周囲炎の報告が急増している.また,糖尿病は生活習慣病の一つで,発症・進行において歯周病と双方向性が認められ,オッセオインテグレーションおよびインプラントの成功率を低下させるとの報告も散見されるが,確たるエビデンスを有する有効な方法は見当たらない.申請者は,グルコース濃度がナノレベル表面制御構造チタン表面上での硬組織形成に及ぼす影響について報告している.そこで本研究では,さらに糖尿病患者の生態環境を再現するため,インスリン添加状態におけるインプラント周囲炎関連菌への抗菌性と早期オッセオインテグレーションを獲得するシステムを解明することを目指している. 現在、自動研磨装置により純チタンプレートを研磨した後,10M水酸化ナトリウム水溶液に室温で24時間浸漬し,加熱処理を行うことによって,表面に酸化ナノ構造(TNS構造)を析出することを明らかにした.純チタン表面に存在する酸化膜が水酸化ナトリウム中のナトリウムイオンと結合し,チタネート構造を形成すると考えられ ,他の報告にもあるように チタネート構造が骨分化誘導に関与している ことが示唆される しかしながら、 TNS 構造は細胞接着を向上させると同時に口腔内細菌の接着性も向上させてしまう結果となった.そこで 申請者らは,純チタンプレートを10M水酸化ナトリウム水溶液に室温で24時間浸漬し,加熱処理を行うことによって,表面に酸化ナノ構造(TNS構造)を析出することを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
チタンプレートの自動研磨装置の条件設定に時間を要したため.
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Strategy for Future Research Activity |
酸 化ナノ構造析出純チタンプレートをグルコース濃度とインスリン濃度を調整した培養液にて慢性歯周炎・インプラント周囲炎の関連細菌存在下にて 骨髄間葉細胞を培養し,硬組織誘導能,抗菌性,炎症性サイトカインの抑制を評価する.
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Causes of Carryover |
当初計画していた研究計画が少し遅延しており、次年度での研究項目が推移したため。
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