2018 Fiscal Year Research-status Report
BRONJ発症におけるリン酸トランスポーターの役割と治療標的としての可能性
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18K17111
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
木山 朋美 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 助教 (40756011)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ビスホスホネート / 顎骨壊死 |
Outline of Annual Research Achievements |
窒素含有ビスホスホネート(N-BP)は、骨粗鬆症や癌性骨転移に汎用される破骨細胞機能抑制薬であるが、抜歯等に付随して発症する顎骨壊死が極めて深刻な問題となっている。現在、歯周疾患等の細菌感染がリスク因子であること、顎骨壊死は抜歯窩治癒不全に続発する症例が非常に多いことが報告されている。一方、申請者はこれまでにN-BPはリン酸トランスポーターを介し各種細胞に非特異的に取り込まれて毒性を発揮することを報告した。しかし、N-BPが顎骨壊死を誘導する機序の詳細は未だ不明である。 そこで本研究では、N-BP投与と感染の複合による顎骨壊死発症促進の機序、N-BPが抜歯窩治癒過程に与える影響を解明することを目的としている。 感染による顎骨壊死発症促進の機序を検討するため、口腔及び周辺各組織に局在する細胞膜取り込み機序であるSLC34に焦点を当て、検討を行った。その結果、グラム陰性菌細胞壁成分のLPSが血管内皮細胞におけるSLC34を有意に発現増加させる結果を得た。 これにより、LPSは血管内皮細胞に発現するSLC34における発現を上昇させ、同細胞に対する細胞毒性を増強させ、顎骨壊死発症を促進させる可能性が示唆された。 また、N-BPが抜歯窩治癒過程に与える影響については、マウスBRONJモデルを用いて、1.血餅期、2.肉芽組織期、3、仮骨期、4.治癒期の四段階における抜歯窩の組織学的観察及び血管障害状態の評価を行ったが、さらなる実験条件の検討が必要と思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現時点ではおおむね予定通りに進行していると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、マウスBRONJモデルを用いて、N-BPが抜歯窩治癒過程に与える影響の検討、また、SLC34インヒビターの顎骨壊死に対する影響を検討する予定である。
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Causes of Carryover |
理由:当該年度に購入した物品購入が予定よりも減額でされたこと、また、購入物品も予定よりも少額であったため、次年度使用額が生じたと考えられる。 使用計画:今後は、次年度に行うin vivo実験遂行の為のマウス、データ解析用のコンピューターおよび統計ソフトの購入、研究成果発表及び、研究話し合いのための旅費に使用予定である。
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[Journal Article] Augmentation of Lipopolysaccharide-Induced Production of IL-1α and IL-1β in Mice Given Intravenous Zoledronate (a Nitrogen-Containing Bisphosphonate) and Its Prevention by Clodronate (a Non-nitrogen-containing Bisphosphonate).2019
Author(s)
Suzuki, H., Bando, K., Tada, H., Kiyama, T., Oizumi, T., Funayama, H., Sugawara, S., Takahashi, T., Endo, Y.
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Journal Title
Biological and Pharmaceutical Bulletin
Volume: 42
Pages: 164-172
DOI
Peer Reviewed