2018 Fiscal Year Research-status Report
睡眠時ブラキシズムの新規治療となりうる呼吸制限の咀嚼筋活動発現への役割
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18K17118
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
辻阪 亮子 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (70817551)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 睡眠時ブラキシズム / 低呼吸 / ポリソムノグラフィ / 睡眠 |
Outline of Annual Research Achievements |
H30年度は、ポリソムノグラフィー検査を実施し、若年被験者の被験者データを記録することと並行して、すでに収集しているデータ解析を重点的に実施した。若年被験者者および中高年の閉塞性睡眠時無呼吸症候群患者において、咀嚼筋活動と呼吸イベントの解析を実施した。若年被験者では、睡眠中に一定頻度の低呼吸を生じる一群がおり、日本人の睡眠の特性である可能性が示唆された。さらに、PSG検査から咀嚼筋活動のスコアリングを経て算出したRMMA indexをもとに、対照群(23名;RMMA index < 2 times/hr)と睡眠時ブラキシズム患者(23名;RMMA index≧ 4 times/hr)に分け、各被験群の睡眠変数と呼吸変数を詳細に解析した。RMMA indexは、それぞれ0.9/hrと5.2/hrであった。睡眠潜時が睡眠時ブラキシズム群では対照群より短い以外、睡眠変数に差を認めなかった。American Academy of Sleep Medicineの2012年の判定基準に基づいて、呼吸イベントを判定したところ、無呼吸低呼吸指数(AHI)の中央値は、対照群(1.2/hr)と睡眠時ブラキシズム群(2.6/hr)で有意差はなかった。ノンレム睡眠中のAHIは、対照群(0.9/hr)よりも睡眠時ブラキシズム群(1.4/hr)で高い傾向を示したが、レム睡眠中のAHIは、対照群(2.1/hr)、睡眠時ブラキシズム群(4.9/hr)で有意な差に至らなかった。一方、閉塞性睡眠時無呼吸症候群患者(36名)において、睡眠変数と呼吸変数のほか、咀嚼筋活動の発生数を算出した。RMMA≧2 times/hrであった患者では、そうでない患者と比較して睡眠構築に大きな差を認めなかったが、AHIが低い傾向を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
一定のサンプル数をもとデータ解析を実施し基礎データが把握でき、さらに新たに若年被験者のデータ収集が実施できため。
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Strategy for Future Research Activity |
H31年度は、PSG検査データを追加収集し、サンプル数の増加を図る。その上で、呼吸イベントのタイプや判定の基準値を複数用いて、睡眠中の呼吸イベント特性の解析を進める。中高年の閉塞性睡眠時無呼吸症候群患者については、RMMA発生の生理学的特性を解析し、同年代の被験者データや若年被験者との差を比較検討する。また、睡眠中の呼吸特性を定量的に解析する方法を検証する。
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Causes of Carryover |
集積データの解析を重点的に実施し、新規のPSG検査記録数が予定よりも少なく消耗品にかかる経費が予定より低かったことと、出席予定の海外の学会を取りやめるなどしたため次年度使用額が生じた。次年度は、当初の計画より新規PSG検査データ収集を増加させて遅れを取り戻すため、それに必要な消耗品購入や修理費用、謝礼を研究期間内で使用する予定である。
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Research Products
(4 results)