2018 Fiscal Year Research-status Report
Development of a novel osteoinductive material using cell membrane nanofragments
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18K17119
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
ハラ エミリオ・サトシ 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 助教 (40779443)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 細胞膜ナノフラグメント / 骨再生材料 / 生体材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
顎顔面領域において骨再建、再生は様々な治療における大変重要なことである。既存の治療法では長期にわたる骨再生期間やコスト、治療手技の煩雑さなど、依然解決が必要な問題点が残っている。こういったことから、短期間、安価かつ簡便に骨再生を実現する医用材料の創製が期待されている。 我々はこれまで、生体内(マウス大腿骨骨端部)における最初期石灰化過程を生物学的・材料学的に検討してきた。興味深いことに、初期石灰化部位の肥大軟骨細胞の破裂から生じる細胞膜ナノフラグメントから骨形成が開始することを見出した。さらに、培養細胞から単離した細胞膜ナノフラグメントを用いることで、わずか2日で石灰化を誘導することに成功した。このナノフラグメントは安価なだけでなく、早期の骨再生を誘導する骨再生材料としても期待できる。 そこで、本研究では、①細胞膜ナノフラグメント作製方法の確立、ならびに②細胞膜ナノフラグメントを用いた骨再生におけるナノフラグメント使用方法の最適化を目指す。 初年度では、細胞膜ナノフラグメントの作製・単離法について、いくつかの方法を検討た。単離した細胞膜ナノフラグメントの形態・成分を材料学・分子生物学手法にて確認した上で、ソニケーションによってより微小かつ均一なナノフラグメントサイズが得られることができた。 また、新規材料の開発について、これまでいくつかの実験を行ってきたが、条件の最適化やin vivo移植実験などをすすめる。In vivo実験の最適化のため、生体内骨形成をさらに詳細に理解する必要があったため、マウス大腿骨骨端部における初期石灰化を解析し、pHが初期石灰化に大変重要な因子であることが分かった。(Hara ES, et al., J. Mater. Chem. B, 2018,6, 6153-6161 )。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
最初の計画通り、細胞膜ナノフラグメントの作成方法を確立した。また、細胞膜ナノフラグメントを核とした新規材料の開発を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
市販のリン脂質系材料を用いた新規材料の開発を進める。また、細胞膜由来又は市販のリン脂質系材料のin vivo骨形成能を組織学的に評価する。
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Causes of Carryover |
予定通りより消耗品を安価で購入することができた。 次年度、新規材料の開発のための消耗品に応当する。
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