2018 Fiscal Year Research-status Report
多細胞スフェロイド含有セメント芽細胞シートによるインプラント周囲組織の再生
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18K17133
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
佐藤 絢子 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 助教 (70803998)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 細胞シート / インプラント |
Outline of Annual Research Achievements |
インプラント体の強固な結合を獲得し、周囲の歯周組織と調和性を図れる組織としてセメント質に注目した。本研究は1)セメント芽細胞シートを作製してチタンインプラン体との強固な結合(Cementintegration)を誘導する、2)セメント質側に多細胞スフェロイド培養法を応用して複合体を作製し、インプラントを含むハイブリッド型歯周組織の作製を目的とした。 1.歯根膜由来幹細胞を用いた細胞シートの作製:再現性のある細胞シートの作製法を確立するために使用する培養ディッシュを検討し、歯根膜由来幹細胞の播種密度や培養ディッシュへのコーティング方法の検討などを行った。また、細胞シートの回収が可能となる培養期間に関して検証を行った。単層の歯根膜由来幹細胞シートの作製が可能となり、組織標本を作製して細胞シートの組織学評価を行った。 2.歯根膜由来幹細胞の歯周組織細胞への分化誘導:歯根膜由来幹細胞を歯周組織の細胞(セメント芽細胞および歯根膜細胞、骨芽細胞)に分化誘導を行った。分化誘導にはプラスミノーゲン阻害薬(rhPAI-1)およびβ-Glyceophosphate、Dexamethasone、アスコルビン酸を使用した。 3.歯根膜由来幹細胞シートの積層:歯根膜由来幹細胞を用い、細胞シートの積層を行った。積層方法を確立させるため、温度応答性細胞培養ディッシュの冷却時間や積層時の細胞シート同士の接着に必要な時間を検証した。細胞シートの積層が可能となったため、上記2で分化誘導を行った細胞シートの積層を行い、組織標本作製し、組織学的評価を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実際に研究を行うと、当初の計画よりも多くの検討項目および操作方法の手技的訓練が必要とされた。 1.細胞シートの作製・回収:①細胞の種類によって細胞シートを作製する際の条件設定が異なるため、細胞シートの培養条件の検討項目が多く検証に時間を要した。培養ディッシュの選択、細胞数、播種密度、培養ディッシュへのコーティング方法、細胞シートの回収時期に関して検証を行った。また、細胞と培養ディッシュの接着がやや弱く、長期培養は難しく、ディッシュへのコーティング方法、培養方法の検証を多く行った。また、培地交換の方法やヒートプレートの使用など工夫が必要とされ、操作の訓練が必要だった。②温度応答性細胞培養ディッシュの性質を利用して細胞シートの回収を行ったが、温度の調節や培地量、冷却時間のコントロールの検証が必要であった。 2.組織標本の作製:細胞シートの組織学的評価を行うために組織標本を作製した。組織標本を作製する際の固定法に関して、固定する際に細胞シートの形状が保たれなかったので、固定の方法に工夫が必要であり検証を行った。 3.細胞シートの積層:細胞シートの積層を行う際に温度応答性細胞培養ディッシュを利用した。細胞シート回収の操作方法に加え、積層時の培養ディッシュの冷却時間や培地量、細胞シート同士の接着に必要な時間の検証などを行った。 4.チタンディスクの作製方法:機械加工、粗面加工方法に関して検討を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
1.細胞シートの分化程度のコントロール:歯周組織再生を適切かつ効果的に行えるようにするため分化誘導の程度がどのくらいで使用するのが良いか分化誘導期間の検証を行う。 2.スフェロイド含有歯周組織細胞シートの作製:生体内の3次元環境を再現するために各歯周組織細胞のスフェロイドを作製し、セメント芽細胞シートとコンジュケートさせる。細胞数、細胞密度、各細胞の割合等の検証を行う。 3.チタンディスクの作製:機械加工および粗面加工を行い、表面粗さ計測および走査型電子顕微鏡で表面性状の解析を行う。また、セメント芽細胞シートの接着に適切な表面粗さの表面加工の検討を行う。 4.細胞シートのチタンディスク表面への接着:チタンディスク上に細胞シートを被覆して細胞シートとディスク上の接着(Cementintegationの獲得)を行う。ディスクへの接着の評価は、実態顕微鏡および走査型電子顕微鏡による視覚的評価と組織標本を作製し、組織学的評価を行う。 5.in vivo研究:細胞シートのチタンディスクへの接着が可能となれば、チタンのインプラント様構造体を作製し、その周囲に細胞シートの被覆を行い、インプラントと細胞シートの接着を行う。その後、ラットの脛骨にインプラント埋入窩を形成し、インプラントを埋入する。評価方法として組織標本の作製を行い組織学的評価およびマイクロCT撮像を行い、画像学的評価を行う。インプラント除去トルク値を測定し、インテグレーションの強度を評価する。対照群として従来のOsseointegrationインプラント体を使用する。
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Causes of Carryover |
研究の進行状況がやや遅れているため、前年度の使用額が予定よりも少なくなった。 次年度は前年度からの当初の計画を遂行する予定である。
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Research Products
(5 results)