2022 Fiscal Year Annual Research Report
Effects of dual task training of mastication and cognitive tasks to improve cognitive function in the elderly
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18K17137
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
稲用 友佳 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (50802302)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 口腔運動トレーニング / 認知機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では当初,咀嚼運動と認知機能課題とのdual taskトレーニングが,認知機能の向上に寄与か検証することを目的としていた.しかしながら,二重課題干渉の問題や,トレーニング効果を得られるような条件の設定が難しく,トレーニング内容を再度検討することとした. 舌は視覚的情報が無い口腔内で感覚情報をもとに食物を選別し,食塊形成やコントロールなど複雑な運動を行う.したがって,舌の感覚や運動機能を向上させることは,認知機能にポジティブな効果を有する可能性がある.そこで認知負荷の高い舌運動をトレーニングとして用いることで,認知機能の向上に寄与する可能性を検討することとした. 昨年度受理された論文では,口腔内環境が変化した際の舌運動を学習するメカニズムを脳活動の変化から明らかにした.具体的には口蓋床装着による口腔内環境の変化からの適応過程を,口蓋床により阻害される舌運動の変化と脳活動の経時的変化から検討した.脳活動の測定は機能的磁気共鳴画像法を用いた.その結果,口腔内環境の変化に対する舌運動の適応には,角回および楔前部における感覚情報の統合と動作イメージの形成が関わることが示唆された.本研究の結果から,口腔運動をトレーニングとして行う際には,トレーニング直後はその遂行に必要な脳領域の活動の増加を認め,その運動に適応する過程でそれらの領域の活動が収束することが予想された. 現在は新たな舌運動トレーニングとして,舌による空間把握と舌の巧緻性を組み合わせた運動を考案し,認知機能(主に空間認知能力)に影響を及ぼす可能性を確認する予備実験を立案している.研究助成期間終了後も引き続きトレーニング条件の検討を進める予定である.
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