2018 Fiscal Year Annual Research Report
三叉神経節での神経伝達物質遊離抑制による口腔顔面痛治療法の開発
Project/Area Number |
18K17148
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
後藤 奈美 徳島大学, 病院, 診療支援医師 (30643803)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 口腔顔面痛 / 末梢神経節 / 慢性痛 / 薬液投与 / サテライトグリア細胞 / ニューロン |
Outline of Annual Research Achievements |
三叉神経の第二枝である眼窩下神経をゆるく決紮することにより、三叉神経障害性痛モデルを作製した。本口腔顔面痛モデルでは口腔内からアプローチした。痛み行動の観察は機械刺激を顔面部に与えることにより行い、逃避反射の閾値を計測した。その結果、口腔顔面痛モデルでは逃避反射閾値の低下が観察された。その後、口腔顔面痛モデルラットの三叉神経節を摘出し、凍結切片を作成し、GFAP染色することにより、神経細胞周囲のサテライトグリア細胞が興奮していることが観察された。 口腔顔面痛モデルの三叉神経節に三叉神経節細胞からの神経伝達物質遊離抑制薬やサテライトグリア細胞からのサイトカイン遊離抑制薬などを三叉神経節に投与することにより、痛み行動に変化が生じるのかを観察した。その結果、薬剤投与により、機械刺激に対する逃避反射閾値が増加することが観察され、痛みの抑制が生じていることが理解できた。 薬物投与による痛み行動変化が運動神経による全身性の関与であるのかを検討した。ローターロッド上でラットを走行させ、ローターロッドから落下する時間を計測することにより、運動神経機能を観察した。ローターロッドは回転速度が徐々に上昇し、運動神経機能が障害されている場合、早めに落下する設計である。ベースラインデータを記録した後、坐骨神経痛モデル作製、後根神経節へのボツリヌス毒素直接投与したところ、ローターロッドのデータには変化は観察されなかったことから、薬物投与は運動機能を障害しないことが理解できた。
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