2021 Fiscal Year Research-status Report
マイクロギャップ離開に起因したインプラント周囲骨吸収の発生機序解明と予防法の開発
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18K17150
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松崎 達哉 九州大学, 歯学研究院, 助教 (70736694)
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Project Period (FY) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 歯科インプラント / バイオメカニクス / マイクロギャップ / インプラント周囲炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯科インプラントにおけるインプラント体ーアバットメント間に存在するマイクロギャップの為害性は既知の事実であり、現在問題となっているインプラント周 囲炎の発生と大きく関与していると考えられている。インプラント上部構造装着後(プロビジョナルレストレーション装着後)の機能負荷開始時点からマイクロ ギャップの影響が強く見られることから、機能負荷による応力の発生とマイクロギャップの離開は大きく関与していると考えられる。 今年度は、昨年度に引き続き、本研究課題において、マイクロギャップが生じる因子をインプラントーアバットメントの連結機構及びインプラント上部構造装着 後に付加される応力量に限定し、荷重負荷量の違いによるマイクロギャップの動態の変化について観察するという研究計画に基づいて実験を実施した。 静滑車によるインプラントーアバットメント連結体への荷重負荷装置を九州工業大 学・坂井准教授のご協力のもと製作し、インプラントーアバットメント連結 部 のマイクロギャップの動態を実体顕微鏡にて観察および記録した。 荷重負荷量を 変化させることで、ギャップの離開量に変化が見られるが、ある一定の荷 重量を超えた時点でマイクロギャップの離開量はプラトーに達することが 示された。 また、マイクロギャップの観察が容易なバットジョイントタイプのインプ ラント体について、インターナルコネクション・エクスターナルコネクションの2タイ プについて荷重量の違いによるマイクロギャップ量の変化を観察し、コネ クションの形状やタイプの違いによってマイクロギャップ量に大きな差があることが判 明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナウィルスの影響により共同研究を行っている九州工業大学へ行くことが難しかったことなどから、今年度の研究計画はほとんど進行していない。昨年度は 予定より大幅に進んでいたため、そのデータのまとめ等に終止した。 昨年度の実験期間中にマイクロ ギャップ量の離開について、実体顕微鏡を用いて離開する瞬間の動画を撮影することに成功したため、今年度は連結様式の違い (エクスターナル、インターナル)によるマ イクロギャップ量の動態の変化についてのデータが得られたことで新たな知見を得られたと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の実験により昨年行っていた荷重負荷量によるギャップの離開量の変化について、ある一定の荷重量を超えた時点でマイクロギャップの離開量はプラトー に達することが複数のメーカーのインプラント体で示された。 また、マイクロギャップの観察が容易なバットジョイントタイプのインプラント体について、インターナルコネクション・エクスターナルコネクションの2タイ プについて荷重量の違いによるマイクロギャップ量の変化を観察したが、2つのタイプによって大きな差があることが判明した。 最終年度となる次年度は本現象 に対してより学術的な考察を加えるため、FEMモデルを作成し、連結機構の違いによって、どのような機序で本年度得られたよう なマイクロ ギャップの離開量 の違いが生じるのかをシミュレーションする予定としている。
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Causes of Carryover |
コロナウィルスの影響により、工学部での実験ができなくなり、その分の物品購入を予定通り行うことができなかった。次年度以降はこの実験計画を遂行すると ともに、かねてより予定している3DFEMのモデル作成を行うことで適正な予算の執行が可能になると考えている。
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